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【コラム】ハリー・ケイン残留と冨安健洋の獲得を狙うトッテナムの思惑 | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】ハリー・ケイン残留と冨安健洋の獲得を狙うトッテナムの思惑 | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】混迷を極めた監督人事に終止符を打ったトッテナムの次なる狙いは、ハリー・ケインの慰留と冨安健洋の獲得だ。ヌーノ新監督、そして敏腕ディレクターのフェデリコ・パラティーチの思惑を探る。

ジョゼ・モウリーニョ退任からおよそ2ヶ月、トッテナムの監督人事は混迷を極めた。

ダニエル・レヴィ会長のお気に入りと言われたユリアン・ナーゲルスマン(バイエルン・ミュンヘン)やブレンダン・ロジャーズ(レスター)とは交渉の席にも就けず、アントニオ・コンテはチーム作りの方向性で意見が合わずに断念。トッテナムの新任フットボールディレクターであるファビオ・パラティーチがジェンナーロ・カットゥーゾにも触手を伸ばしていたことが明るみに出て、「新監督就任間違いなし」の情報が流れたパウロ・フォンセカとは破談に終わっている。

その後、自薦他薦を問わず、ユルゲン・クリンスマン、ラルフ・ラングニック、ジュレン・ロペテギ(セビージャ)など、数多くの候補者が浮かんでは消え、消えては浮かび、6月30日にようやく、ヌーノの新監督就任が発表された。

このポルトガル人指揮官は4バックと3バックを使いこなす柔軟な戦略家だ。

2018-19シーズンから2年連続でウォルヴァーハンプトンを7位に導き、大黒柱のラウール・ヒメネスを頭蓋骨骨折で失った昨シーズンも、残留争いとは無縁のまま13位に着地している。みずからの哲学に絶対の自信を持っており、それでいてモウリーニョのような大言壮語、内部批判を好まず、黙々と仕事をこなすタイプだ。

ケインの外堀が徐々に…

2020-10-29-Harry Kane-Tottenham

ただ、大きな仕事がいきなり待っていた。ハリー・ケインの慰留である。

7月28日に28歳となる彼は、「一日も早くメジャータイトルを」と希望し、レヴィ会長に退団の意志を伝達済みだという。「マンチェスター・シティが1億ポンド(約150億円)の移籍金を提示した」とか、「チェルシーも獲得に名乗りを上げた」など、イングランドのメディアを連日のように騒がせている。

現有勢力や資金力を踏まえると、新シーズンのトッテナムがメジャータイトルを手にする可能性は極めて小さい。ヌーノ新監督も承知しているだろう。

しかし、ケインは絶対に必要だ。この矛盾をどのように説明し、退団に傾いている大エースの気持ちを取り戻すのだろうか。近々、レヴィ会長とパラティーチFDを含めた四者会談が設けられる予定であり、短期間で片付く問題とは思えないが、気が付くとケインの外堀が徐々に埋められようとしている。

シティは今夏の第一ターゲットをジャック・グリーリッシュ(アストンヴィラ)に改め、チェルシーもフェデリコ・キエーザ(ユヴェントス)に方向転換するようだ。そしてレヴィ会長は、タフネゴシエイターとして知られている。

一転、ケインはトッテナム残留か。あるいはタイトルへの執着、低すぎる週給を理由に強行突破を図るのか。移籍市場が終了する8月末日まで、難しい駆け引きが続く。

冨安を巡る交渉は「大筋合意」

Fabio Paratici tottenham

さて、補強のカギを握る人物はパラティーチFD(写真)だ。ユヴェントスに在籍した11年間で構築したコネクションを活かし、イタリアに多くの人材を求めている。古巣のアドリアン・ラビオ、インテルのマルセロ・ブロゾヴィッチとステファン・デ・フライ、サッスオーロのドメニコ・ベラルディなど、噂される案件はセリエA方面ばかりだ。

そしてこの中には、ボローニャの冨安健洋も含まれている。7月13日、同クラブのテクニカルディレクターを務めるワルテル・サバティーニが「われわれが求める金銭的条件を満たしていない」と発言したため、トッテナムとの間で交渉が存在していることは確実だった。そして2日後、交渉の進展をイタリアの有力紙『コッリエーレ・デッロ・スポルト』が報じている。

「大筋合意」

最低でも2500万ユーロ(約32億5000万円)を求めていたボローニャに対し、トッテナムが2000万ユーロ(約26億円)+ボーナスを提示。金銭的条件が一気に接近したという。

今夏、トッテナムからは経験豊富なトビー・アルデルヴァイレルトが退団する公算が大きい。セルジュ・オーリエも6月30日に切れた契約を更新する意思がまったくなく、エリック・ダイアーとダヴィンソン・サンチェスは伸び悩んでいる。DFの補強はケインの慰留と並ぶ急務であり、それほどの重大事項に冨安がピックアップされるとは、日本人として誇らしい。

冨安が加入し、ケインが残留すれば、日本でもトッテナムの知名度、人気は一気に上がる。とはいえ、シティとリヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、レスターに戦力値では劣っている。チャンピオンズリーグ出場権奪還は至難の業といって差し支えない。

ちなみに新シーズンの開幕は、王者シティを本拠トッテナム・ホットスパー・スタジアムに迎え撃つ。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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