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【連載】ファビオ・カペッロも首をかしげる新フォーマット「私には理解不能だ」| カルチョS級講座 第24回 | セリエA

【連載】ファビオ・カペッロも首をかしげる新フォーマット「私には理解不能だ」| カルチョS級講座 第24回 | セリエADAZN
【欧州・海外サッカー インタビュー】2021-22シーズンのセリエAは従来とは異なる方式で対戦カードが組まれている。名将ファビオ・カペッロが「理解不能」と首をかしげるその新フォーマットとは?

EURO2020が終わり、セリエAの各クラブが続々とキャンプイン。新シーズンへの準備をスタートさせているね。

それにしてもロベルト・マンチーニ率いるイタリア代表の戦いぶりは見事だったよ。53年ぶりの欧州制覇はセリエAにとっても喜ばしいことだ。

なにより知名度がグンと上がった。アッズーリを構成するメンバーのね。普段セリエAを観ていない人からすれば、大会前の時点では名前と顔が一致しない選手もいただろう。それが今回の優勝で世界中に知れ渡ることになった。

セリエAの注目度は増すだろう。新たなスポンサー獲得にも抜群の効果をもたらすんじゃないか。イングランドと対戦したファイナルは、グローバル企業に対してもかなり大きなアピールとなったはずだ。

当然、プレー面のプラス効果にも期待できる。マンチーニ率いるアッズーリはポゼッションサッカーが基本戦術だが、決してそれだけではなかった。

ボールを支配する基本姿勢に、前線からのアグレッシブな守備を加え、相手をゴール前に押し込む攻撃的なスタイルを披露したんだからね。

アッズーリのこの新スタイルは、イタリアサッカー全体にも大きな衝撃を与えたと言っていい。セリエAで指揮を執る監督たちも、大いに参考にするんじゃないかな。少なくとも私はそう願っているよ。

世界基準のジャッジを願う

EUROについては、審判のジャッジについても指摘できる点がある。前回の2016年大会に比べ、主審の笛の数が30~35%も減ったんだ。これはデータでしっかり示されている。

ジャッジとは本来、こうあるべきものだと私は考える。そもそもサッカーはゲームの流れが重要視されてしかるべきスポーツだ。にもかかわらず、ちょっとした接触プレーで笛を吹くなど無駄な介入があまりにも多い。とくにイタリア人審判などはね。

これはセリエA全体のレベルに影響を及ぼしかねない大きな課題だ。プレーが頻繁に切られるか切られないかで、試合自体の強度が大きく変わってくるからだ。

幸運にも、EUROのイタリア代表は世界基準の笛にうまくアジャストすることができていた。個人的にはそういった柔軟な姿勢も、アッズーリが優勝できた要因の1つだと感じている。

イタリア人の審判たちには、セリエAのレベルアップのためにもぜひ、今回のEUROで示された世界基準のジャッジを参考にしてもらいたい。期待を込めて願っているよ。

2021-22シーズンのセリエAはEURO制覇により、大いに盛り上がりそうだ。老練な指揮官が多く復帰したことも、それに拍車をかけているね。

ユヴェントスに復帰したマッシミリアーノ・アッレグリ、ラツィオの指揮官に就任にしたマウリツィオ・サッリ、ナポリのルチアーノ・スパレッティのことだ。

加えてローマには、ジョゼ・モウリーニョがやって来た。彼らはみな、世界的にも名だたる名将だ。21-22シーズンのセリエAは、これまで以上にベンチにスポットライトが当たる1年となるだろう。

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プレミアより複雑化した新日程

新シーズンの対戦カードはすでに発表されている。これまでとの大きな違いは、伝統を崩した新フォーマットで日程が組まれたことだ。

まずは昨季までのフォーマットをおさらいしておこう。

これまでのセリエAと言えば、前半戦の各カードが、ホームとアウェーを入れ替えてそのまま後半戦のカードに割立てられる形が常套だった。

もう少し分かりやすく説明しよう。現行の20チーム制で例えるならこうだ。

1~19節までの各カードと、折り返しとなる20節~最終節までの各カードは、ホームとアウェーを逆にしただけで、すべて同じ順番で行われていた。開幕各カードが、そのまま20節に組まれるといった具合に、だ。

ところが何を考えたのか、21-22シーズンは突然その方式が変更された。

プレミアリーグなどは前半戦の対戦順にこだわらず、後半戦はそれこそ順序をバラバラに入れ替える方式を導入している。今回のセリエAバージョンはそれがさらに複雑化した形だ。

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何か新しいものを創りたがる

こちらも分かりやすく、すでに発表された21-22シーズンの例で解説しよう。

例えば8月22日にスタートする開幕節に組まれた注目の3カード、インテル対ジェノア、ローマ対フィオレンティーナ、サンプドリア対ミラン。

以前の伝統フォーマットなら、一巡して迎える20節にホームとアウェーを入れ替え、ジェノア対インテル、フィオレンティーナ対ローマ、ミラン対サンプドリアのカードが組まれていた。

イングランド式に置き換えるなら、後半戦どこかの節でジェノア対インテル、フィオレンティーナ対ローマ、ミラン対サンプドリアが同時に組み込まれることになる。

だがイタリア式最新版では、ジェノア対インテルが27節、フィオレンティーナ対ローマが36節、ミラン対サンプドリアが25節とまさにバラバラ。

われわれイタリア人はそもそも"ファンタジー"に富んだ人種。常に常識を逸脱した、何か新しいものを創りたがる傾向にある。

今回もそのイタリア人特有の気質が対戦カードの配置に出た格好だが、正直言って、今回の変更に何の意味があるのか、私には理解不能だよ。

すでに賛否両論、様々な意見が交わされているようだけれど、まずはやってみないことには、どんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのかは分からないね。

ただ、これでセリエAへの興味が薄れるといった懸念は、少なくとも私にはまったくない。今ごちゃごちゃ言っているファンも、カフェ(コーヒー)を2~3杯飲めば忘れるだろうね(笑)。

インタビュー:アルベルト・コスタ
翻訳・構成:垣内一之

訳者プロフィール/1998年にイタリアに移住し、約8年間、中田英寿、中村俊輔、柳沢敦ら日本人選手を中心にセリエAを取材。2006年のドイツ・ワールドカップ後に帰国し、現在は日本代表、Jリーグを中心に取材を続けている。

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