東京五輪の結果を成功と呼べる人は誰もいないだろう。
五輪本番前の親善試合は決して悪くなかった。パラグアイ、パナマ、ウクライナ、メキシコを相手に大量得点勝利。内容以上に得点の多さがポジティブな印象を与えていた。
ただ、多くの期待を背負って挑んだ本大会では、グループリーグで1勝1分1敗の3位通過。迎えた準々決勝では強敵・スウェーデンに敗れ、自国開催ながらベスト8で大会を去ることになった。特に攻撃面では4試合で3得点しか奪えず。本大会前の得点力を発揮できないまま戦いを終えたことは、悔いが残る形となった。
新生なでしこジャパンの船出
不完全燃焼に終わった大会を経て、2021年10月、かつてFIFA U-20女子ワールドカップで若き日本代表を優勝に導いた池田太監督が指揮官に就任。新生なでしこジャパンとして新たなスタートを切った。
池田体制初となる大きな大会が、今月20日から開幕する女子アジア杯だ。今大会は来年にオーストラリアとニュージランドで共催される女子W杯の予選も兼ねており、開催地枠で出場するオーストラリアを除いた上位5チームが本大会の出場権を獲得することができる大会となっている。
なでしこジャパンは、2度目の参加となった1989年の女子アジア杯以降、全てベスト4以上の成績を常に残し続けている。ベトナム開催となった2014年大会、ヨルダン開催となった2018年大会では連覇を達成。そういった状況もあって、今回は3連覇への期待が高まっている。
ただ、指揮官交代後、初めての公式戦。そして東京五輪の不甲斐ない戦いを考えれば、決して楽な戦いが待っているわけではない。現に昨年11月の2試合の親善試合ではアイスランドとオランダに勝利できず。まだ新たな形の構築段階であり、大会期間中にさらにチームを作り上げていく必要があることは間違いない。
加えて、大会自体の難しさが今大会は例年以上となる。これまでは本大会出場チーム数が「8」だったものの、今回から「12」に拡大。グループリーグではライバルの韓国以外に難敵のミャンマー、ベトナムと同組となり、頂点に立つためには険しい道のりが待つ。
また、なでしこジャパンの絶対的エースとして期待されていた岩渕真奈が本大会直前に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、大会への参加が不透明となっている。チームの核として期待されていた存在だけに、彼女の出場可否でどんな影響が出るかは心配なところだ。
来年に迫る女子W杯へ向け、負けられない女子アジア杯。なでしこジャパンは3連覇を成し遂げることができるだろうか。
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