1993年にパドヴァからユヴェントスに移籍すると、長年にわたってクラブに忠誠を尽くし、セリエBに降格した2006-07シーズンもヴェッキア・シニョーラ(老貴婦人)と運命を共にしたデル・ピエロ氏。シドニーFCやデリー・ディナモスFCなど国外での経験を経て、2014年にピッチを離れたレジェンドは、現在もトリノで愛されている。
デル・ピエロ氏は、17日(日本時間)に行われたセリエA第33節のユヴェントス対ボローニャ(1-1)において、10年ぶりにアリアンツスタジアムに登場。スタンドで挨拶を行うと、観客席のサポーターからスタンディングオベーションで出迎えられた。
現代カルチョ版ボニペルティに?
『ダゾーン・イタリア』で解説者を務めるジャーナリストのアンジェロ・カロテヌート氏は、デル・ピエロ氏の古巣訪問の背景に、ユヴェントス入閣も考えられると指摘。引退後に会長へと転身したレジェンド、ジャンピエロ・ボニペルティ氏のようなキャリアをたどる可能性を主張した。
「ユヴェントス首脳陣については、組織再編の可能性が囁かれてきた。クラブ内で、再びデル・ピエロを登場させたということには、何らかの意味があるかもしれない。彼に何らかの役割が与えられる方向へ進む始まりなのかもしれない」
「ただ、デル・ピエロとなると、極めて重要な役職を与える以外に考えられない。例えば私の考えだが、彼ならユーヴェにとって素晴らしい会長になり得る。現代カルチョにおけるボニペルティのような存在として投影できると思う」
「今回の登場に、こうした背景が本当にあったかどうかは分からないが、デル・ピエロは、ユーヴェとともにセリエBでプレーすることさえも受け入れた選手だ。だがユーヴェ一筋の選手でありながら、一方でイタリア国内において対立を生むようなタイプでもない。このため、もしそんな彼の復帰が検討されているならば、極めて賢い選択だと考える」
デル・ピエロ氏の元同僚でもあるバルザーリ氏は、「分からないので私の方を見ないでくれ」と前置きしつつ、元ユヴェントスのレジェンドの登場は、インパクトを残すものであったと振り返る。
「デル・ピエロは、典型的なクラブの象徴と言える人物であり、おそらくユヴェントスの歴史の中でも最も代表的な選手だったと言える。その彼が10年ぶりにスタジアムに姿を現したことは、ユヴェントス界隈全体、特にサポーターにとってかなり感動的であったはずだ。今後、何が起こるのか見守っていきたい」
長友佑都のチェゼーナ時代の同僚であり、解説者を務めるマルコ・マローロ氏も、デル・ピエロ氏の存在感に圧倒された。
「まるでステージに立ったロックスターのような登場で、この光景には目を奪われた。2006年FIFAワールドカップで優勝を飾り、イタリア代表としても象徴的な選手であっただけに、彼がユーヴェに復帰するのであれば、ものすごいことだ」
デル・ピエロの最終戦で得点を挙げたバルザーリ氏
さらにバルザーリ氏は、2012年5月に行われたデル・ピエロ氏のユーヴェでのラストマッチ、アタランタ戦(ユーヴェが3-1で勝利)を振り返り、3点目のシーンで自身がPKキッカーを務めた背景を明かした。
「あのシーズンは、私以外のフィールドプレーヤー全員がゴールを決めていたんだ。だから私に蹴らせて、チームの記録を樹立しようという意図があった」
関連記事
● ディバラの構想外にOBバルザーリ氏「来季のユーヴェの攻撃陣は疑問符だらけ。裏には何か事情が…」 | セリエA
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。