悔やみきれない敗戦だった。
日本は26分に植木理子の得点で先制しながらも、後半開始直後に同点弾を許してしまう。延長戦では再びリードを奪ったものの、試合終了間際にまたしても追いつかれてしまいPK戦に持ち込まれてしまう。結果的に最後、勝敗を分けたのは運の要素が強いPK戦だったものの、そもそも2度リードし、試合を支配ながら追いつかれてしまった。
試合後、主将の熊谷紗希は開口一番「今日の試合は本当に、勝たなきゃいけない試合だった。90分、120分通しても勝たなきゃいけない試合だった」と悔しさを顕にした。「今大会通して、世界に戦うのはまだまだ足りないなということを痛感したとともに、これからワールドカップに向けて、一選手としてもチームとしても成長していかないと世界で戦えない」と、危機感を募らせる。
2011年にはなでしこジャパンで世界王者の座を手にし、欧州では5度UEFA女子チャンピオンズリーグのタイトルを獲得している熊谷。その経験は世界でもトップクラスの水準だで、それだけに熊谷の言葉は一つ一つ重みがある。「アジアのレベルが世界に比べて高いかと言われればそうではない。ワールドカップで勝つためには、今日の中国に負けているようでは勝てない」と言い切り、「そもそも戦うところはこんなところじゃない。個の能力、チームの能力をもっともっと上げていかなければいけない」と全員のレベルアップを要求した。
今大会は池田太監督の初陣。チームは再構築のステージにあり、今大会では成長と結果の両方が求められた。準備期間も短く、チームの成熟度はまだまだだが、熊谷は「新しいチームと言うよりは、自分たちがどうコントロールしていくかということが今大会、大きな課題になった」と、自分たちにベクトルを向ける。
特に熊谷が課題としてあげたのが“共通認識“だ。「例えば、今日本当は最後は守りきらなきゃいけない時間帯、守りきりたい時間帯でじゃあどう戦うか。守り切るとは具体的に何なのか」と共通のビジョン不足を指摘。「その時間にセットプレーを与えない、要らないものは与えない。そういった共通認識はチームとして教訓にしていかないといけない」と強調した。
ノルマのワールドカップ出場は確保したものの、3連覇を逃し、苦い船出となった新生なでしこジャパン。来年のワールドカップに向け、世界基準を知る熊谷の言葉が一つの指針となるはずだ。
関連記事
● 放送予定・試合日程・順位結果 | AFC女子アジアカップインド2022
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。