2得点を奪ったモンテディオ山形のFWヴィニシウス・アラウージョが表のMVPならば、影のMVPと言って過言ではないパフォーマンスを見せていたのがMF國分伸太郎だった。
今節の東京ヴェルディ戦。開幕戦のFC町田ゼルビア戦で後半45分からの出場にとどまっていた國分は、移籍後初スタメンのピッチへ。ポジションは慣れ親しんだボランチ。MF山田康太と並び、最終ラインと前線をつなぐリンクマンとして丁寧にボールを動かしながら敵陣攻略の一手を担った。
守備では相手の立ち位置を見ながら絶妙な予測でスペースを消しつつ、縦に入ると見るや球際の強さを見せてボールを奪取。すかさずボールを近くの選手に預けて自分が出て行ったり、リターンをもらう立ち位置をとったりと、相手にとって嫌な動きを続けることで存在感を示し続けた。
自身の力を発揮したのは、チームの2点目となる66分のシーン。左サイドでの組み立てに関与するとタイミングよく顔を出して綺麗なワンタッチパスをFW南秀仁へ。そこからヴィニシウス・アラウージョのゴールにつながった。
攻守に貢献し続けた國分。そのプレーに山形の石丸清隆監督も評価を与えている。
「立ち位置と距離感もよかったと思う。守備の部分では中盤のスライドをかなりやらないといけない相手だったが、その中でかなり意欲的にやってくれた。初めてのスタメンにもかかわらず、攻守ともによくやってくれたなという印象です」
昨季、J2で快進撃を見せたギラヴァンツ北九州(大分トリニータから期限付き移籍)で中盤の要として33試合に出場。そこで評価を高め、今季は大分から山形へと完全移籍でチームに加わった。期限付き移籍ではなく完全移籍にしたことを踏まえれば、個人としてもさらなる成績を残したいシーズンとなる。
止める、蹴るの技術だけでなく、ボール奪取の部分でもピッチで違いを生み出していた國分。今後、山形の中盤の要となれるか注目したい。
國分伸太郎(1994年8月31日生まれ)
年度 | チーム | Div | 得点 | 出場 | 警告 | 退場 |
---|---|---|---|---|---|---|
2021 | 山形 | J2 | 0 | 2 | 0 | 0 |
2020 | 北九州 | J2 | 2 | 33 | 1 | 0 |
2019 | 北九州 | J3 | 2 | 29 | 1 | 0 |
2018 | 大分 | J2 | 0 | 10 | 0 | 0 |
2017 | 大分 | J2 | 0 | 13 | 0 | 0 |
文・林遼平
埼玉県出身の1987年生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、フリーランスに転身。サッカー専門新聞「エルゴラッソ」の番記者を経て、現在は様々な媒体で現場の今を伝えている。
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