青赤の若き守護神が平塚の地で2度吠えた。1-0の勝利の裏で光った2つのビックセーブ。GK波多野豪がチームに勝利をもたらした。
1つ目の見せ場は22分、スルーパスに抜け出してきたFW大橋祐紀とペナルティーエリア内で1対1を迎える。そこで慌てることなく自分の間合いで飛び出すと、198cmの体全体で面を作りながらシュートをブロック。最初のピンチを防いだ。
さらにエンドが入れ替わった57分、2つ目の見せ場が訪れる。
CKをクリアされたところからカウンターを受けると、左サイドを深く破られゴール前で湘南ベルマーレのFW町野修斗に合わせられる。しかし、重心の逆を突かれた瞬間、左手一本でセーブ。クロスバーに当たったボールは跳ね返り、ゴールネットが揺れることはなかった。
長谷川健太監督からも「頼もしかった」と高い評価を与えられた殊勲の男は自身のプレーを冷静に振り返る。
「攻められるシーンもあったけど、シュートが来ても止められる自信はあったし、実際のプレーでも出せた。自分が止めれば、攻撃陣には素晴らしい選手がたくさんいてゴールを決めてくれると信じていたので、我慢しながら1-0で勝てて良かった」
この結果、FC東京は6月から4試合連続完封勝利を達成。5月末のサンフレッチェ広島戦を含めれば5試合連続無失点中である。
そのすべての試合でゴールマウスを守ってきた波多野が湘南戦後に口にしたのは「信頼」の二文字だった。
「味方を信頼し、自分自身も信頼しながらプレーできている結果が、いまの連勝につながっている」
23歳ながら、今季に入って酸いも甘いも経験した波多野。誰よりも「信頼」というものが、崩れるのは一瞬で、積み上げるのに時間がかかることは分かっている。いまはその「信頼」を取り戻している最中。青赤の背番号13は無失点を続けることで、今までよりも厚く大きな「信頼」を集めていく。
文・須賀大輔
1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。ELGOLAZOではこれまで柏レイソル、横浜FC、SC相模原を取材し、現在はFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務めている。
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