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明治安田J3リーグ

【5月 J3月間ベストゴール賞インタビュー】「記憶に残るゴールになった」藤枝の押谷祐樹が鮮烈ループ弾を振り返る | Jリーグ

【5月 J3月間ベストゴール賞インタビュー】「記憶に残るゴールになった」藤枝の押谷祐樹が鮮烈ループ弾を振り返る | Jリーグ(C)J.LEAGUE
【国内サッカー・インタビュー】Jリーグが毎月カテゴリごとに最も優れたゴールを表彰する『明治安田生命Jリーグ KONAMI 月間ベストゴール』。J3リーグの5月度の受賞者は、藤枝MYFCのFW押谷祐樹。第8節・FC岐阜戦の51分に決めた鮮やかなループシュートが選ばれている。
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明治安田生命J3リーグKONAMI 月間ベストゴール。5月度の受賞者は藤枝MYFCのエースナンバー「10」を背負う押谷祐樹。今年でプロ15年目を迎える32歳に、熟練の技を示した芸術的なループシュートの裏話や、ストライカーとしてのゴールへのこだわり、そして今後に懸ける思いなどを聞いた。(取材日:6月8日)

――5月度のKONAMI 月間ベストゴール受賞おめでとうございます。このような賞を受賞することはいち選手としてどのような心境でしょうか?

たくさんゴールがあった中で選んでもらえたので、素直にすごくうれしいです。過去にもこのような賞をいただいたことがありますが、自分の記憶にも残りますし、周りの人や応援してくれている方々にとっても記憶にも残るゴールになったと思うので、すごくうれしいです。またこういう賞をまたもらえるようなゴールを決められるように頑張りたいという意欲にもなります。

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――あのゴールはうまく背後に抜け出した形でした。その時に考えていたことを教えてください。

ディフェンスの選手から横山(暁之)にボールがいく時にまずどう動こうか考えて、ヨコがちょっとフリックしたのがわかったので、そこに対応できる場所にいこうとポジションを取りました。ただ実際にはヨコがあんまり触れていなかったのでほぼスルーみたいな状況になって、相手が3、4人つられたことで逆にうまく相手の背後を取れたと思います。

――横山選手がフリックするかしないかがわからない状況で、いろいろな予測をしながら準備しなければいけないという難しさもあったと思います。

あのタイミングでボールが抜けてこないことをまず一番に考えて動いて、もしヨコがしっかりトラップしていたら、少し違う動きに変える準備を頭の中ではしていました。右からもう1人選手が走っていたので、ヨコからその選手に出すかもしれないと一瞬で予測しながらと、いう感じでしたね。

――ポジション取りは、今回のように様々な予測を立てながら準備していますか?

特に裏を抜けるタイミングは、出し手と受け手の関係も大事ですし、今回のゴールみたいにいろいろ予測しなければ対応できないと思うので、どういうボールが来ても大丈夫な体の動きや予測は常にするようにしています。

2022-05-08-J3-Fujieda-Oshitani(C)J.LEAGUE

――ファーストタッチからシュートまではどんな景色が見えていましたか?

ファーストタッチしたときに、相手GKの位置を最初に見て、結構前に出ているのがこの段階で見えていました。抜け出したタイミングでもう一度GKを見てループしようと思いましたね。

――キーパーをかわす選択肢はなかったですか?

自分なら浮かせられると考えたので、抜くことは考えずにループしようと思いましたね。

――ループシュートを実行に移すことに迷いはなかったですか?

全然なかったですね。浮いていたらもっとループってやりやすいかなと思いますが、逆に自分は転がっているボールでもループするのが得意だったので、自分なら普通にできると信じていたので、すぐ「ループしよう」と判断できました。

――試合でこのような綺麗なループシュートを決めたことはありましたか?

試合ではないかもしれないですね。練習では結構決めることがありましたが、徳島時代にJ1参入プレーオフの準決勝で(2019年12月8日・モンテディオ山形戦(1○0))で河田(篤秀)が同じようなループを決めていて、その3日後ぐらいに練習で同じシーンが来たので同じことをしたら同じようにできたので、「俺もできるわ」と思っていて(笑)。そのイメージがなんとなく、抜け出した時に頭の中に残っていたので、なんかできそうな感じがしたので。ある意味、河田のおかげかもしれないです。3年越しぐらいで(笑)。

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――押谷選手にとって最も得意なゴールパターンは何ですか?

結構まんべんなくという感じですね。若い頃は結構ミドルシュートが多かったですが、最近はワンタッチゴールが多くなっている気がします。

――押谷選手にとって今までのベストゴールはありますか?

一番うれしかったゴールという意味では、ファジアーノ岡山時代に2016年のJ1昇格プレーオフ、松本山雅戦(2016年11月27日)で決めたミドルシュートですね。あの試合は人生を懸けてじゃないですけど、準決勝で山雅に勝たなければいけない状況だったので、「絶対に勝ちたい」という気持ちでやっていました。個人的にも第一子が生まれた最初の試合だったので、「絶対にゴールを決めたい」とも思っていたんです。その試合でしっかりゴールを決められて、結果的にその後に追いつかれましたけど、劇的に勝つことができて、そこに貢献できたということがすごくうれしかったです。そこのゴールは今でもすごく印象に残っていますし、一番うれしかったですね。

――あのゴールも中長距離からの豪快なゴールでした。ミドルレンジからゴールを決めている印象も強いですが、シュートに至るまでの駆け引きで意識されていることはありますか?

まずボールを蹴る時から相手がいるのかいないのか感じながら、前を見るようにしています。僕の場合はトラップしてワンタッチ、ツータッチで結構シュートを打つことが多いので、若い頃も相手をかわさずにゴールを決めているシーンが多いと思います。

2016-11-27-Okayama-Oshitani(C)J.LEAGUE

――止めてから打つまでがすごく速い印象です。そこはこだわっていますか?

特にこだわっているというよりも、そういうプレーが多かったので、多分自然に身に付いたものだと思います。そこが速いから相手も寄せ切れない状態で打てていると思うので。ただ最近はそういうゴールが少し減っているので、また取り戻して意識していきたいなと思います。

――逆に今はワンタッチゴールが多いということでしたが、ミドルを狙うときとは違う意識の置き方をしていますか?

打つ前から、ワンタッチなら「こういうシュートを打とう」とイメージをしながらボールを受けたり、クロスに入っていくところですね。「点と点で合うようなところに入っていこう」と意識しているので、最近はワンタッチゴールが多いのかなと思います。

――FWとしてあまり身長が高いタイプではないからこそ、こだわっている部分でしょうか?

競り合いやヘディングはどうしても高い選手には勝てない部分もあるので、裏に抜けるタイミングや、一瞬のスピードというところで勝負してきましたし、味方との関係性でワンツーのようなコンビネーションで相手をどうやってうまくかわしていくかというのは意識していますね。

――そんな押谷選手が参考にしてきたプレイヤーはいますか?

小さい頃はジュビロで育って中山雅史さんを見てきて育っていたので、「あんなふうにゴールをたくさん取れる選手になりたい」と思っていました。プロに入ってから佐藤寿人選手のこともすごく好きでしたね。寿人さんはワントップで少しポジションは違いますけど、同じくらいの背丈でゴールを取る意識や裏抜けのタイミングはすごくお手本になるし、コーナーのこぼれ球への反応もすごく速かったので、ワンタッチのゴールシーンを見たりしていました。(2017年から18年まで)名古屋で一緒になったので、間近でプレーを見られたことはすごく勉強になりました。

――佐藤寿人さんから何かアドバイスをもらうことはありましたか?

プレーは教えてもらうよりは、見て覚えようと思っていた感じです。味方が顔を上げたときの動き出しの仕方は、年令を重ねてもすごくうまかったので、勝手に見て学んでいました。何かを教えてもらったというよりも、すごく良くしてくれる先輩で、サッカー面ではこっちが見ている感じが多かったです。

――月間ベストゴールに選ばれた今回の得点は、押谷選手にとってもシーズン初得点でした。ホッとした気持ちが強かったですか?

昨シーズンの終わりからケガをしていて、それが完治ないままシーズンが始まってしまったので、やっと決められてホッとしました。相手も古巣の岐阜だったので、そういう意味でも余計にうれしかったですね。

2022-05-08-J3-Fujieda-Oshitani(C)J.LEAGUE

――続く第9節のいわきFC戦では2試合連続ゴールを決めています。初ゴールが取れたことでプレーや気持ちも変わりましたか?

点が取れていない時だったら、シュートを狙わずパスを選択してしまったり、逆に無理矢理打ってしまったり、判断が悪くなってしまう部分があります。ただ点を取れたことで余裕が生まれて周りが見えたり、より良いプレーができるようになるのはよくあることなので、そういう意味でシーズン2点目につながったと思います。

――ゴールは、押谷選手にとってどういうモチベーションになるものですか?

ゴールを決めると単純にうれしいですし、ゴール後のプレーも波に乗ることができますし、ポジティブな心理状態になっていきます。ゴールは自分にとって良いことしかないものですね。決めているときは調子が良いですし、ゴールというのは自分の中で良いプレーができる起爆剤みたいな感じですね。

――今季掲げている個人としての具体的な数字はありますか?

昨シーズンは6ゴールだったので、それ以上は取りたいなと思っていて、10点を目標にしています。5月に2点取れたので、あと8点を目標にして頑張ります。

――藤枝の攻撃陣は、横山選手や土井智之選手と若い攻撃陣も台頭し始めてきていますが、その中でも押谷選手が見せていきたい色はありますか?

藤枝にはいい若手が多いです。若い選手はすごく走れますし、思い切りのいいプレーもできているので。そんな中で自分に何ができるか。ゴールに絡むプレーもそうですけど、自分の中ではチームへの貢献度をすごく考えています。もちろんゴールが一番の貢献ですが、守備面で後ろを助けてあげるように、プレッシングで最初に行ってボールを奪いきるとか、そういうところで違いも見せたいとは思っています。

――プロ15年目を迎えている今季、昇格を目指している藤枝でどういう存在でありたいですか?

昇格するチームは、どれだけ内容が悪くても、一本のセットプレーで取り返して引き分けに持ち込むとか、試合終盤に決めて勝ち切ってしまうとか、そういうチームが多いです。その力をつけるためには負けないことが一番重要で、藤枝も少しずつそういう雰囲気になっているので、自分の感覚的には昇格できるチームの流れになっているとは感じています。これを1シーズン続けたチームが昇格できると思うし、試合の中でちょっと途切れそうになったりしたら、声掛け一つで雰囲気を変えられるので、みんなで良い方向に向かって支え合っていけるようにしたいです。自分はキャプテンタイプではないですけど、ベテランと言われる年齢になってきて、今年はチームで上から2番目なので、全体を支えながら昇格に導いていけるようにやっていきたいと思います。

――最後、チームとともに押谷選手が笑って終われるシーズンになることを期待しています。

今はケガで出られない時期が続いていますが、復帰したらみんなに負けないようにゴールを決めて、チームみんなで喜んでJ2に昇格したいですね。今はチームも上位にいて、J2昇格を目指せる位置にいるので、そこに自分も貢献したいですし、やっぱり最後は昇格という形でみんなで笑顔で終われるように頑張りたいと思います。

文・インタビュー 森 亮太

1990年、静岡県出身。静岡県を拠点にフリーライターとして活動中。2018年からは、サッカー専門誌「エルゴラッソ」にてジュビロ磐田、アスルクラロ沼津の番記者を担当している。

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