セリエBやセリエCでの長い下積み時代を経て、昨年8月にヴェネツィアでセリエAデビューを飾った27歳のマッゾッキ。今年1月にサレルニターナへ移籍してダヴィデ・ニコーラのチームの奇跡的なセリエA残留に貢献すると、今シーズンは今月5日のエンポリ戦でセリエA初ゴールも記録し、UEFAネーションズリーグのイングランド戦およびハンガリー戦に向けて、ロベルト・マンチーニ監督率いるイタリア代表へ初招集も受けた。
そんな27歳のサレルニターナDFが『ダゾーン・イタリア』の特番「DAZN Talks」に出演。その素顔を明かした。幼少の頃は細身の体形で、地元のナポリっ子たちからは、「メッゾキーロ(半キロ)」とのあだ名をつけられていたというマッゾッキ。だがナポリ近郊のサレルノでプレーする現在、「パコ」の愛称でファンから愛される存在となっている。
「おそらく僕のピッチにおける情熱的なプレースタイルからだろう。それにサレルノのファンは温かく、僕らが重要な選手であるように感じさせてくれる。サレルノは魔法のような場所だ。ここに住んでみなければ分からない」
自らを助ければ、神が助けてくれる
サイドバックを主戦場とし、昨シーズンのリーグ覇者ミランのフランス代表DFテオ・エルナンデスと比較する声も上がり始めた。
「いや、僕は自分の道を歩まなければならない。注意を逸らさずに自分の仕事に集中していきたい。だがそういう話を聞くこと自体はうれしいよ。僕は最初、ウィンガーだったが、その後、サイドバックへコンバートされたんだ。自分のプレースタイルやフィジカルなど、すべてを変えていかなければならなかったし、DFとしてのメンタリティも学ばなければならなかった。簡単ではなかったよ」
「長い努力を経て、昨年、セリエAデビューを果たし、今年はようやくセリエA初ゴールも記録できた。僕らのファンの目の前で決められたこともうれしく思っている。美しいゴールだったって? 運にも恵まれた。ナポリでは『自らを助ければ、神が助けてくれる』ということわざがある通り、思い切って飛び込んだんだ」
サレルニターナの強さの秘密
セリエA第6節では、敵地でユヴェントスと2-2で引き分け、貴重な1ポイントをもぎ取ったサレルニターナ。27歳DFは、チームの強さの秘訣を語りつつ、今シーズンの目標を語ってくれた。
「みんな仲が良く、一緒に食事に行くことでもチームの結束が増している。監督は強い団結力を持ったチームを作るのが上手い。最終的に偉業を達成できるのは、結束力のあるチームだと思う。テクニックのある強い選手がいても、結束力がなければ何も達成できない」
「僕らの強みは、ピッチ内外における強い結束力とお互いを助け合う姿勢だと思っている。試合に出場していない選手たちもチームに信じられないほどの貢献をしてくれている。そのおかげで練習においても常に全力を尽くすことができるんだ」
「チームメートはみんな親切だし、外国人選手も含めて全員と仲が良い。外国人選手には、ナポリ方言も教えたよ。チームメートを一言で説明? (クシシュトフ)ピオンテクは“イケメン”。(フランク)リベリーは“フェノーメノ(怪物)”、(ラッサナ)クリバリは“獣”だね。ニコーラ監督のことはマエストロって呼んでいるよ」
「(アントニオ)カンドレーヴァは“偉大”だ。偉大なキャリアを築いた後、サレルニターナにやって来たが、クオリティと運動量でチームをサポートしてくれている」
「今年もより良いパフォーマンスを見せることが目標であることは変わらない。だが自分たちがどこからやって来たのか、現在ここにいるために、どんなことに向き合ってきたのかを忘れてはならない。新加入の選手たちにも伝えなければならないことだと思う。そして常に、地に足をつける必要がある」
無限の可能性を持ったレオンと驚きのリベリー
ナポリっ子ながらも幼少期はインテルのファンだったというマッゾッキ。「あの頃、(オバフェミ)マルティンスが好きだったんだ。もう少し大きくなってからは、故郷のナポリに忠実なファンになったよ」と明かしてくれたが、キャリアで対戦した最強選手を問われると、ミランの23歳のポルトガル代表FWを挙げた。
「僕が衝撃を受けた対戦相手は(ラファエウ)レオンだ。並外れた潜在能力を持った選手で、無限の成長の可能性を持っているんじゃないかと思う。本当に強い選手だ。僕が対戦した中ではレオンが最強だね」
一方、最も技術力の高いチームメートには、MFフランク・リベリーを選んだ。
「技術に優れた同僚はリベリーだ。彼はマッチアップした相手のプレーを4手先まで読んでいるんだ。どうやっているのかと、びっくりするほどだよ」
(C)Getty images
ストイックな性格で、ナポリの美食に囲まれながらも食事は米粒の数まで数えるほどの徹底ぶりのマッゾッキ。努力を信条とする叩き上げのサレルニターナDFは、夢ではなく、目の前の目標に集中している。
「夢はないが、目標ならある。僕にとって夢は寝ている時に見るものだが、目標なら努力すれば到達できる。僕は目標を設定し、それを達成するのが好きなんだ」
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