インターナショナルウィーク明けのセリエA第8節では、首位のナポリおよびアタランタのほか、上位のミランやラツィオも揃って勝利を挙げた。またユヴェントスも1カ月ぶりの白星をつかんだ一方、インテルはジョゼ・モウリーニョ率いるローマとのビッグマッチに敗れて2連敗を喫した。
ミリクのいないユーヴェは想像できない
そんな中、バルザーリ氏らが『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」に出演。ユヴェントスOBは、FWドゥシャン・ヴラホヴィッチやFWアルカディウシュ・ミリクらの得点により、ボローニャを3-0で下した古巣について見解を示した。
「手堅い試合でほとんどリスクを負うことがなかった。前半も良い出来だったが、後半になって選手たちのクオリティが輝き、ミリクは素晴らしいゴールを決めた。ユーヴェにとって結果を出せたことが重要だ。3-0で勝てたことで気持ちの面でも楽になるだろう」
同席した元ラツィオMFのダリオ・マルコリン氏は、今夏、ヴラホヴィッチの代役として加入したはずが、セルビア代表FWのパートナーとしても輝くミリクを称えた。
「ユーヴェはヴラホヴィッチの代替要員として獲得したはずだが、ミリクはチームにとって決定的なパフォーマンスとゴールを見せている。1トップやセカンドトップなど、さまざまなポジションで起用されており、アッレグリの攻撃陣において万能な選手となりつつある」
「1トップにするならヴラホヴィッチかミリクか? ミリクの方が、各エピソードにおいて結果を出していると言える。ヴラホヴィッチはゴールを求めてかなりの努力をしているが、現時点でミリクに方が完璧にチームのメカニズムにフィットしているように思う。新加入という立場でこのパフォーマンスを見せていることは驚きであり、アッレグリにとっても有益であるはずだ。ミリクのいないユヴェントスは想像できない」
ボローニャ戦でつかんだ勝利により、立て直しの糸口が見え始めたように見えるユヴェントス。マルコリン氏は、ナポリやミランを目標としつつ、着実にステップアップする必要があると指摘した。
「現時点で抜き出ているのは、ナポリとミランのプロジェクトだと考える。一方、ユヴェントスのプロジェクトはまだ見えてきていない。これほど重要なトップチームの顔ぶれをみれば、ナポリやミランに肩を並べることが期待される。だが問題は、プロジェクトがまだ形となっていないことだ。アッレグリも言うように、チームが花開くまで、1歩ずつ前進していくべきだろう」
姿を消した完璧なマシーン
次に話題は、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァで1-2と敗れたインテルに。元ラツィオMFは、今シーズン4敗目を喫して9位へと後退したシモーネ・インザーギのチームについて、自身の見解を示した。
「インテルは弱さを露呈してしまった。ユヴェントスも奮起できたのだから、次はインテルの選手たちの闘志を見たい。スモーリングのゴールシーンはあまりにも平凡なミスだった。ゴール前では必ずマークをしていなければならない。決意を持ち、闘志あるプレーをするべきだ」
続いてバルザーリ氏は、インテルがセリエA王者の座を勝ち取った2020-21シーズンや、昨シーズンのパフォーマンスと比較。インザーギのチームの課題を指摘した。
「チームはアントニオ・コンテの下でスクデットを獲得した2年前と比べて変わった。昨シーズンは一時期、ファンタスティックなプレーを見せ、すべてが上手くかみ合い、完璧なマシーンのようにも見えた。スクデットを獲得した年よりもずっと良いパフォーマンスも見せていた」
「だが現在、チームは安定性を失ってしまった。その安定性を失ったことで完璧さや美しさも失われてしまったのだろう。今シーズン、モチベーションは高いように見えたが、これだけ失点すれば負けるのは当然だ。したがって何か足りないものがある。このチームにクオリティはあるので、最も求められているものは、注意力と結束力ではないかと考える」
マルコリン氏も同様に、かつてはインテルの特徴であったはずの守備が弱体化したことを問題視している。
「私もアンドレアに賛同する。2年前、インテルの強みは強固な守備だったが、現在はその守備が問題点になっている。インテルは攻撃的過ぎるように見える。インテルはボールを失った時、常に相手チームに広大なスペースを与えている」
一方、ミランOBのマッシモ・アンブロジーニ氏は、インテルを擁護しつつ、精神面における問題点に言及した。
「インテルはローマとひどい試合をしたわけではない。死力を尽くして戦った拮抗した試合の最後に、セットプレーからの1プレーで負けたと言える。メンタル面においていくつかの場面をコントロールできないチームであるように見える。不注意からたびたび道中で多くのポイントを取りこぼしたが、それが大きな代償となっている」
元同僚が見たローマのディバラ
今夏の移籍市場において、インテル行きの可能性も囁かれたものの、モウリーニョ率いるローマへとフリーで移籍したディバラ。ボルハ・バレロ氏が「ただ技術がある選手ではない。技術を通してカルチョを見て感じることができる選手なんだ」と描写するように、インテル戦でも1ゴールをマークするなど新天地で躍動を続ける。
そんなアルゼンチン代表FWについて、元同僚のバルザーリ氏は、「チームメートが頼りとする選手であり、責任感も持っている。それだけでなく、だしぬけにプレーを仕掛け、輝きも見せる。好調の才能ある選手は、チームのバランスを動かすことができる」と絶賛した。
意地を見せた王者ミラン
一方、前節でナポリとの直接対決に敗れたセリエA王者のミランは、守護神GKマイク・メニャンやDFテオ・エルナンデスら主力を欠く中、敵地でエンポリと対戦。79分に先制に成功すると、アディショナルタイムに同点に追いつかれたが、直後にテオの代役のDFフォデ・バロ・トゥレが決勝点をマークし、さらにはFWラファエウ・レオンも追加点を挙げて3-1で劇的な勝利を手にした。
マルコリン氏は、ミランの強さをこのように分析する。
「1-1の場面でも絶望せず、最後まで試合を演じるメンタリティがカギとなった。インテルもそうだが、ネガティブなエピソードが起きれば、パフォーマンスはやや低下する。だがミランは最後まで信じ、答えを出すことができた」
「全員、自分が何をすべきかを理解している。ピオリはメンタリティだけでなく、選手一人ひとりがミランのメカニズムにおいて役割を果たせるようなシステムを作り上げた」
元ユーヴェOBもミランの戦いぶりを称えつつ、攻撃の要となっている新加入のFWシャルレ・デ・ケーテラーレにアドバイスを送った。
「ミランの美しさは、常に自分たちのプレーをしているところだろう。デ・ケーテラーレは偉大なクオリティを持っているが、やや遠慮がちなところもある。もっと果敢に挑戦するべきだ」
Getty
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