三つ巴のラストバトルだ。
J1参入プレーオフに挑むことができるのは、J2リーグの3位から6位にまで入ったチームのみ。現段階でファジアーノ岡山、ロアッソ熊本、大分トリニータの6位以内が決定している中、最後の1枠を徳島、仙台、山形の3チームが争うことになる。徳島と仙台が勝点62で並び、続く山形は勝点61。勝点1差のなかに3チームがひしめく状況で最終節の戦いに挑む。
そんな最終節、この状況を予期したかのようなカードが組まれている。それが徳島と山形の一戦だ。徳島は勝てば7位・仙台が得失点差「8」を覆すような結果を残さない限り6位以内を確定させることができ、逆に山形は勝利した上で仙台が引き分け以下になることを祈ることになる。どちらにせよ互いに勝利が必要な一戦なだけに、白熱した試合が繰り広げられることは間違いないだろう。
山形ホームで行われる一戦だが、調子の良さだけを考えれば徳島が優勢と言える。今季、少しずつ改良を加えながら成長を遂げてきた徳島は、現在19試合負けなしで3連勝中。特に守備の安定感が素晴らしく、失点32はリーグ最少となっている。課題となっていた決定力に関しても、ここ最近、U-21日本代表FW藤尾翔太がコンスタントに得点を奪えるようになりシーズン二桁得点を達成。堅固な守備に攻撃力が連動するようになり、負けないチームへと変貌を遂げた。いま、最もリーグで勢いのあるチームの一つと言って過言ではなく、最終節も勝利して6位を確定させたいところだ。
一方、山形はプレーオフ圏内に悠々と入れる状況があったにもかかわらず、9月末から4試合連続勝ち星なしと急ブレーキをかけてしまったことが苦戦のきっかけとなっている。それでも前節の大分戦を快勝し、もう一度、調子が上向いているのは確かで、この大一番で勝利を手にして6位以内に滑り込みたいところ。堅守・徳島を打ち破るためにも、シーズン途中の移籍で6ゴールを挙げているFWディサロ燦シルヴァーノのゴールに期待したい。
この両チームが熱戦を繰り広げる中、徳島が引き分け以下に終わることで大きなチャンスがやってくるのが7位の仙台だ。一時は優勝争いをしていたものの、夏場に入って大ブレーキで一気に順位を落としてしまったが、監督交代を経て徐々にチーム作りを進め、終盤まで粘りの戦いを見せている。もう一方の試合の結果次第ではあるが、勝てば6位以内も見えてくるだけに、仙台は絶対勝利で今節を終えたいところである。
ただ、最終節は非常に難しい相手との対戦となる。その相手がブラウブリッツ秋田だ。秋田は現在4連勝中と絶好調。それに加え、倒してきた相手がFC町田ゼルビア、熊本、ジェフユナイテッド千葉、岡山とプレーオフ出場を狙うチームをことごとく破ってきている。前節も岡山のJ1自動昇格への夢を打ち破る逆転勝ちを収めており、仙台としては嫌な相手との最終戦になる。ここ一番でのゴールが欲しいだけに、前節得点を奪ったFW富樫敬真の活躍に期待したいところだ。
J2の最終節はどんなドラマが待っているのか。試合終了のホイッスルが鳴るまで何が起こるかわからない特別な90分の幕が上がろうとしている。
●3チームのJ1参入プレーオフ出場確定条件
徳島ヴォルティス
- 徳島が勝利かつ仙台が引き分け以下（仙台が勝利した場合は得失点差次第）
- 徳島が引き分けかつ仙台が引き分け以下
ベガルタ仙台
- 仙台が勝利かつ徳島が引き分け以下（徳島が勝利した場合は得失点差次第）
モンテディオ山形
- 山形が勝利かつ仙台が引き分け以下
J2 順位表
※第41節終了時点
| 順位 | 点 | 勝 | 分 | 敗 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 アルビレックス新潟 | 81 | 24 | 9 | 8 | 37 |
| 2 横浜FC | 77 | 22 | 11 | 8 | 16 |
| 3 ファジアーノ岡山 | 72 | 20 | 12 | 9 | 21 |
| 4 ロアッソ熊本 | 67 | 18 | 13 | 10 | 11 |
| 5 大分トリニータ | 66 | 17 | 15 | 9 | 11 |
| 6 徳島ヴォルティス | 62 | 13 | 23 | 5 | 16 |
| 7 ベガルタ仙台 | 62 | 18 | 8 | 15 | 8 |
| 8 モンテディオ山形 | 61 | 16 | 13 | 12 | 19 |
| 9 東京ヴェルディ | 58 | 15 | 13 | 13 | 5 |
| 10 ジェフユナイテッド千葉 | 58 | 16 | 10 | 15 | 0 |
| 11 V・ファーレン長崎 | 55 | 15 | 10 | 16 | －4 |
| 12 ブラウブリッツ秋田 | 55 | 15 | 10 | 16 | －7 |
| 13 FC町田ゼルビア | 51 | 14 | 9 | 18 | 2 |
| 14 水戸ホーリーホック | 51 | 13 | 12 | 16 | 0 |
| 15 ツエーゲン金沢 | 51 | 13 | 12 | 16 | －13 |
| 16 レノファ山口FC | 50 | 13 | 11 | 17 | －1 |
| 17 栃木SC | 48 | 11 | 15 | 15 | －8 |
| 18 ヴァンフォーレ甲府 | 45 | 10 | 15 | 16 | －9 |
| 19 大宮アルディージャ | 42 | 10 | 12 | 19 | －16 |
| 20 ザスパクサツ群馬 | 42 | 11 | 9 | 21 | －20 |
| 21 FC琉球 | 34 | 7 | 13 | 21 | －25 |
| 22 いわてグルージャ盛岡 | 34 | 9 | 7 | 25 | －43 |
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