FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022によるリーグ戦中断前のセリエA最終戦を終え、11連勝で41ポイントを獲得した首位ナポリが2位以下に8ポイント以上の差をつけて独走態勢に入った。2位には33ポイントを積み重ねた昨シーズンの覇者ミラン、3位には序盤戦の遅れを取り戻して31ポイントを獲得したユヴェントス、さらにその背後からは、ラツィオやインテル、アタランタ、ローマが4ポイント差以内で追いかける。
そんな中、ユヴェントスOBのアンドレア・バルザーリ氏およびナポリOBのダリオ・マルコリン氏らが『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」に出演し、セリエAの上位勢の序盤戦のパフォーマンスを採点した。
ナポリ
ルチアーノ・スパレッティ率いるナポリは今シーズン、ジョージアの超新星フヴィチャ・クヴァラツヘリアやカリドゥ・クリバリの後釜であるキム・ミンジェら新戦力が躍動し、13勝2分と無敗の快進撃で独走する。そんなナポリについて、バルザーリ氏は満点にやや満たない「9.5」の評価を与えた。
「満点を与えるには、完璧に全勝していないとね。いずれにせよナポリの革新はあらゆる面において最高だった。結果を出し、偉大なプレーを見せ、(UEFA)チャンピオンズリーグ(UCL)では、偉大なチームが相手であっても素晴らしい成績を収めた。またリーグ戦でも圧倒している」
一方、マルコリン氏は古巣に満点の「10」の評価を下した。
「ナポリは5試合で相手にリードを許したが、その5試合すべてで振り出しに戻すことに成功している。最近では、ベルガモでのアタランタ戦のように、ナポリはリードされても、ゴールを挙げ、個の力で試合をひっくり返す力を持っている。だから満点を与えた」
なお、ナポリの選手の中でMVPを問われると、マルコリン氏はクヴァラツヘリア、元ユーヴェDFは韓国代表DFキムを挙げている。一方、同席したステファノ・ボルギ記者および司会者のマルコ・カッターネオ氏はスタニスラフ・ロボトカを推した。
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ミラン
昨シーズンのセリエA王者ミラン。直近の試合では、格下に苦しめられたものの、ここまで10勝3分2敗の成績を収め、中断前最終戦で2位へ再浮上した。マルコリン氏は結果を評価しつつ「7」をつけた一方、パフォーマンスが下降気味である点を指摘した。
「ミランは常に進化を続けるチームだったが、最近はチームプレーや個人のパフォーマンスの面において、その特色がやや失われたように見えた。それに対戦相手はレオンを止める方法を見つけたようにも映る。現時点でミランはやや下降しているように思う」
バルザーリ氏は、ステファノ・ピオリのチームのパフォーマンスを「7.5」と採点し、自身の見解を示した。
「ジルーは今年も重要なゴールを決め、レオンも常にゴールを決めている。一方、新戦力はあまり実力を示すことができなかった。プレッシャーもあっただろうし、別のリーグから加入した背景もあるだろう。ミランの実力は、今後明らかになるだろう。だがリーグ戦では2位である上、UCLでもグループステージ突破に成功している」
ボルギ記者もユーヴェOBと同様に「7.5」をつけ、持論を展開した。
「7.5~8点の間だと考える。ミランは今シーズン、非常に良い成績を残している。ナポリにホームで敗れたが、パフォーマンス自体は良かった。昨シーズンと比較して2ポイント少ないが、UCLでベスト16に進出している。それも(フランク)ケシエを失った上、(ズラタン)イブラヒモヴィッチや新戦力の貢献がなかったにもかかわらずね。最低でも7.5点は与えるべきだ」
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ユヴェントス
今シーズンはスタートダッシュで大きく出遅れ、一時はアンドレア・アニェッリ会長が苦言を呈するほどの成績不振が続いたユヴェントス。だが直近のリーグ戦で6連勝を飾り、中断前最終戦を終えて3位まで浮上することに成功した。マルコリン氏は及第点をやや上回る「6.5」をつけた。
「1カ月くらい前に採点をしていたら、5.5点だっただろう。UCL敗退後に指揮官の下で結束し、反発心を見せたことが6.5点を与えた理由だ。6連勝を飾って調子を上げているが、ユヴェントスはもっと結果を出さなければならない義務がある」
続いてOBのバルザーリ氏も同様に「6.5」の評価を下しつつ、厳しい見解も示した。
「直近の2試合で+0.5点になった。今シーズン序盤戦を振り返ると、UCL敗退はあまりに重大なものだった。ユーヴェのようなチームは、あのような形で敗退してはならない。とにかくひどい試合だった。リーグ戦においてもひどいスタートを切り、現在になってようやく復調してきたところだ」
(C)Getty Images
インテル
シモーネ・インザーギ指揮下で2年目を迎えたインテルは、10勝5敗で5位と遅れを取る。そんなインテルに『ダゾーン・イタリア』の解説陣は揃って「6.5」を付けた。まずはマルコリン氏が見解を示した。
「インテルは首位を競っていれば、ユーヴェと同じようにライバルにプレッシャーを与えることができるチームであるはずだ。このインテルには、もっと多くを期待していた。スタートは良かったが、中盤で失速し、UCLで(バルセロナに勝って)軌道を修正し、再び走り出したところだ」
「直近の2試合で9得点を挙げてゴールを量産したが、このチームが実力を発揮するのはこれからと言えるだろう。6.5点は上位3位以内を競って欲しいという希望を含めた採点でもある」
ユヴェントスOBも、インザーギのチームの弱点に苦言を呈しつつ、今後のパフォーマンスの向上を期待した。
「インテルはUCLで素晴らしいパフォーマンスを見せ、そのおかげでリーグ戦でも復調した。ただ、ルカクがいないという理由があったとしても、インテルのようなチームがリーグ戦において、これほどの失点をするのはダメだし、こんなに負けてはならない。こんなに苦戦してもダメだ。インテルにはクオリティがあるのだから、もっとできるはずだ」
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