カタールW杯開幕前最後のテストマッチとなるカナダ戦に臨んだ日本代表は、9月の欧州遠征に続いてこの一戦でも[4-2-3-1]を継続した。
GKは権田修一が務め、センターバックには谷口彰悟と負傷明けの板倉滉が復帰し、サイドバックには右が酒井宏樹、左に伊藤洋輝が入った。守田英正と遠藤航がベンチ外となった注目のダブルボランチには柴崎岳と田中碧、攻撃的MFには右に久保建英、トップ下に南野拓実、左に相馬勇紀が入り、1トップに怪我明けの浅野拓磨が実戦復帰した。
日本がファーストチャンスを仕留めた。9分、柴崎からの精度の高い浮き球にタイミングよく抜け出した相馬が右足で触ったボールがそのままゴールに吸い込まれて日本が先制に成功し、幸先良いスタートを切った。
19分には日本がビルドアップで前進したところを起点に左サイドへ展開。ボールを受けた久保が自らドリブルで運んで鋭いシュートを放つが、これは惜しくも枠を捉えることができない。
しかし21分、コーナーキックをカナダ主将のアティバ・ハッチンソンが合わせたボールをスティーブン・ビトリアが押し込まれ、カナダが同点に追いつき、試合は振り出しに戻る。
その後はカナダがペースを握る。日本は自陣でボールを繋ぐものの、低い位置でのボールロストが増え、そこから素早くゴールに迫るカナダに28分、31分とチャンスを与えてしまうが、このピンチを無失点で耐え凌ぐ。
それでも前半終盤は日本が前線からの守備のギアが上がって、敵陣でプレーする時間を増やしていくが、ビックチャンスを作るまでには至らずに前半を1-1で折り返している。
日本が上田綺世、山根視来、堂安律の三人を入れた後半も、前線からのハイプレスを継続するが、ロングボールで最終ライン背後を突かれてピンチを立て続けに迎えてしまい、守備を機能させることができない。
それでも59分、日本が守備へ素早く切り替えたところから敵陣でボールを奪い返し、ビックチャンスを迎える。上田のポストプレーから南野がフリーでペナルティエリア内に侵入してシュートを放つが、このチャンスを活かせない。
61分には長友佑都と鎌田大地を同時投入し、ペース奪回を試みた日本ではあったが、攻撃ではビルドアップが機能せず、後半中盤以降は守備でも前線からのプレッシャーもかからなくなり始め、カナダにボールを支配される時間が続く。
それでもスコアは動かないまま突入した試合終盤に南野を下げて吉田麻也を投入し、[3-4-2-1]にシフトする。その采配が功を奏して89分には、右ウイングバックで高い位置を取り始めていた山根が最終ラインをブレイクし、ニアに強烈なシュートを打ち抜くが、これはポストに阻まれる。
日本に最後に悲劇が待っていた。90+4分に与えたPKを権田が体勢を崩しながら右手で触ったものの、そのままゴールに吸い込まれてカナダが逆転。土壇場の失点を喫した日本が1-2でカナダに敗れている。
攻守で課題が見えた日本は、日本時間の23日22時からドイツ代表とのW杯初戦を迎えることになる。