カメルーンサッカー連盟(FECAFOOT)は28日、同国代表GKアンドレ・オナナの現状について声明を発表した。
カメルーン代表は、28日に行われたFIFAワールドカップ(W杯)カタール2022のグループG第2節・セルビア代表戦に3-3と引き分けた。お互いが点を取り合うスリリングな展開となった試合において一際注目されたのが、カメルーン代表のGK。初戦のスイス代表戦では、インテルで活躍する守護神・オナナがゴールマウスを守っていたが、一転してセルビア代表戦ではピッチはおろか、ベンチにもその姿がなかった。
FECAFOOTは「リゴベール・ソング監督の決定に従い、オナナは規律上の理由で一時的にメンバーから除外された」と声明を発表。指揮官と守護神の間に、何らかの対立があったことを示唆した。
また、イギリスメディア『ミラー』は28日、セルビア代表戦後の会見におけるソング監督のコメントを紹介。指揮官は「(オナナをメンバー外とする判断について)必要な決断だったと思う」と語った。
「チームの一員として必要な規律を守れないのであれば、その責任を負うことになる。欧州のトップクラブでプレーしているアンドレ(・オナナ)の能力に疑いの余地はないが、選手個人よりもチームが優先されなければならないからね」
「彼はチームを離れることを希望し、我々はそれを受け入れた。チームでは規律が重要なんだ」
現在、FECAFOOT会長を務めるのは、バルセロナやインテルといったビッグクラブでその名を世界に轟かせ、代表チームでソング監督と同僚だったサミュエル・エトー氏。FECAFOOTは「規律、連帯、補完性、代表チームとしての団結維持」を方針としており、ソング監督への全面的な支持を表明している。
一方、『ミラー』はカメルーン代表陣営から、ソング監督の戦術センスに不満があるとの報告が上がっていることも指摘。オナナは積極的に前へ飛び出すプレースタイルを志向しており、ボールタッチ数もGKとしては非常に多い。このようなプレーが、指揮官の考えと相容れない模様だ。
セルビア代表戦に先発出場したGKデビス・エパシは、最終節のブラジル代表戦に先発するかどうか報道陣に尋ねられると「監督に聞いてみないと分からないよ」と返答。果たして、ブラジル代表戦の結果次第で決勝トーナメント進出の望みもあるカメルーン代表のゴールは、誰が守ることになるのだろうか。