日本は、グループリーグ突破を懸けた大一番、スペイン戦に臨んだ。
日本は、今大会初めて[3-4-2-1]の3バックでスタート。中3日のコスタリカ戦から初戦のドイツ戦から久保建英、田中碧、伊東純也、前田大然の4人が先発に復帰した中で、初出場の谷口彰悟を3バックの一角として大一番で抜擢。日本を率いる森保一監督は、システムと選手選考でサプライズを用意した。
一方のスペインは、グループリーグ2試合で先発していたジョルディ・アルバやマルコ・アセンシオらはベンチスタートとなったものの、別メニューでの調整が続いていると報じられていたガビに、第2戦目で警告を受けていたセルヒオ・ブスケツも先発入り。ルイス・エンリケ監督も中盤のキーマンたちを温存することなく、この一戦に臨んだ。
前半は、スペインに圧倒的にボールを支配され、日本は苦しい時間が続いた。
立ち上がりは日本がプレッシャーをかけるところとかけないところのメリハリをつけながら試合をスタートしたが、徐々にスペインに押し込まれる展開が増え始めると、11分にはフリーとなっていたアルバロ・モラタに頭で仕留められ、日本は試合早々に苦しい展開を強いられる。
スペインの巧みなボール回しを前に、奪いどころを定められない日本。全員が自陣に戻って守備の時間が続いたが、前半終盤は少しずつプレッシャーがかかり始め、ボールを奪う位置が少しずつ高くなり始めたことで反撃への糸口を掴みかけ始めた中で前半を折り返した。
日本が三笘薫と堂安律を同時投入した後半、日本が怒涛の反撃を見せた。
前半とは対照的にハイプレスをかけ始めると、後半3分、高い位置でボールを奪って堂安が左足一閃。ペナルティエリア手前から放たれた強烈なシュートがGKの手をかすめてゴールに突き刺った。
そして後半早々に追いついた日本の勢いが止まらない。後半6分には、堂安のクロスをタッチラインギリギリのところで三笘が中央に戻し、田中が押し込んでゴールイン。VARによるチェックが入ったものの、このゴールが認められ、日本が同点から3分間での逆転に成功する。
一転してグループリーグ敗退の危機に立たされたスペインは、マルコ・アセンシオやジョルディ・アルバらを投入し、攻勢を強める采配を施すが、日本も後半17分には浅野拓磨、後半24分には冨安健洋とフレッシュな選手を入れ、コンパクトな守備を持続。日本が高い集中力でスペインにチャンスを作らせない時間が続く。
その後はスペインにボールを握られる我慢の時間が続いたが、試合終盤のピンチを耐え凌いでスペインを2-1で撃破。後半に試合の流れを一変させた日本が、ドイツを破った同じ地で”ドーハの奇跡”の再来を巻き起こし、グループEを首位通過で決勝トーナメント進出を決めている。