FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022のE組初戦で強豪ドイツを2-1で下すサプライズを巻き起こしたものの、第2戦でコスタリカに0-1で敗れた日本代表。決勝トーナメントに進出するためには、最終節での勝利が求められる中、ルイス・エンリケ率いる無敵艦隊スペインとの大一番に臨んだ。
前半は主導権を握るスペインに圧倒され、11分にアルバロ・モラタの先制点を許した日本代表。だが後半、森保一監督は堂安律と三笘薫を投入して打開を図ると、48分にその堂安が答えてミドルシュートから同点弾をマークした。さらにその3分後、三笘が左サイドのゴールラインいっぱいの位置からクロスを上げ、田中碧が決勝弾を記録。日本そのまま2-1のリードを守り切り、“死の組”で2度目のジャイアントキリングを達成し、勝ち点6でグループ1位通過を決めた。
日本の奇跡にイタリアから相次ぐ賛辞
そんな日本代表の歴史的偉業に、イタリア紙も驚きを隠せない。『Gazzetta dello Sport』は、「信じられない日本…スペインまで倒して首位」の見出しで注目。「日本の選手たちはとんでもない勝利を収めた。モリヤスのチームは偉業を繰り返すことに成功した」などと綴ったほか、「サムライたちが信条とする武士道の2番目の規範である“勇”、勇ましい勇気を示した」と賛辞を贈った。
さらに長友佑都と久保建英に代えての三笘と堂安の2枚替えに言及し、「ドイツ対日本の終盤のデジャブはこうして始まった」と指摘。ポゼッションで圧倒しながらも敗れたルイス・エンリケのチームについて「スペインの占拠は不毛だった」との見解を示した。
また『Tuttosport』は、「W杯で日本の奇跡、スペインを退けて首位に」との見出しで報道。「日本はE組最終節で誰をも驚かせ、首位通過を決めた」と綴った。さらに『Corriere dello Sport』も、ドイツ戦を再現するような日本の大逆転劇に驚きを示し、「サムライブルーは前半、苦しめられてスペインにリードを許したが、後半開始直後にスコアをひっくり返した」と報道。「日本にとって、W杯2大会連続での16強進出は、史上初となる」と述べ、森保一監督率いるチームの偉業を称えた。
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本当に想像できなかった日本のスペイン撃破
『Eurosport』イタリア版は、ドイツを追いやる“死の組”での激戦について「もしかしたら史上最強にクレイジーなW杯かもしれない」と指摘。さらにW杯優勝経験を持つ2チームを相手にジャイキリを成功させた日本について「しかしこればかりは、本当に誰も想像できなかった」と驚きを示した。
また同点弾をマークした堂安を「秘密兵器」と表現して絶賛。「手短に言えば、彼は試合を完全に変えた。彼のプレーで2-1の結果につながった。ドイツ戦と同様に彼は重要な役割を担った」と綴った。
『Sport Mediaset』も、「日本対スペインは2-1…日本が偉業」との見出しで報道。「日本はもう1つ偉業をやってのけた。またしても逆転劇。またしても偉業。ドイツの後は、スペインをも驚かせた。スペインに逆転勝利を収めてE組首位通過を決め、自らにふさわしいベスト16の座を勝ち取った」と伝えた。
さらに試合を決定付けた後半序盤の逆転劇に注目。「モリヤスはドウアンとミトマを投入したが、これが試合を覆す偉大な采配となり、新たな偉業の達成を可能にした」と振り返った。さらに堂安に賛辞を贈り、「フライブルクの選手は抑えようがない」と綴った。