FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022のE組において、コスタリカに敗れたものの、W杯優勝国である強豪のドイツおよびスペインから大金星を挙げて、“死の組”を首位突破した森保一監督率いる日本代表。ドーハで2度の奇跡を実現したサムライブルーについて、イタリア紙『Corriere della Sera』のマリオ・スコンチェルティ記者が持論を展開した。
イタリア人記者は、1998年フランス大会から7大会連続出場するアジアの常連国をリスペクトすべきであると感じている。
「日本がW杯で優勝することはおそらくないだろう。だがまだ、敗退することを学んでいないことは確かだ。日本のカルチョは、常に限界を超えていく。W杯に幾度となく出場しているチームであり、もはや初出場の国とは違う」
「だが毎回、初出場組のような扱いで、おまけにエキゾチックな印象まで抱かれている。ところが実際、日本の選手たちは並外れたアスリートであり、カルチョを極めてじょうずにプレーすることも身に着けている」
ドイツは若返りに失敗
さらにスコンチェルティ記者は、今大会について「クオリティが足りない」と指摘しつつ、下馬評を覆した日本代表の躍進を踏まえ、「当たり前の結果や平凡な試合など存在しない。美しい試合は数少ないが、すべて最後まで予測不能だ」などと主張。続いて日本に1-2で敗れたスペインやドイツに見解を示した。
「スペインは開始直後に日本から先制点を奪う幸運に恵まれたが、そこまでだった。後半、予測不能な混乱に陥り、今大会で最も安定しているように見えていたチームが驚かされることになった。結果として、日本が試合を制し、グループを制した。そしてドイツとコスタリカは帰宅した」
「ドイツにとって最悪の瞬間ではあったが、まったく予想できない状況ではなかった。若返りに失敗したのだ。ドイツという偉大な学校の選手たちは疲労が感じられ、主力はチームとして1つにまとまることができなかった。偉大な若手がおらず、レジェンドたちは疲れ果てているように見えた。だが最終的に、偉大なストライカーが不在であることが決定的だったと言える」
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