FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022の“死の組”E組において、優勝国のドイツとスペインから大金星を挙げる歴史的偉業を達成して首位通過した日本代表は、決勝トーナメント1回戦でF組2位のクロアチアと対戦。120分間の激闘を経て1-1のまま決着がつかず、PK戦へと突入した。
だが、日本は3人目の浅野拓磨のみが成功し、1人目の南野拓実、2人目の三笘薫、さらに4人目の吉田麻也が失敗。インテルで長友佑都の同僚だったマルコ・リヴァヤのみが失敗したクロアチアがPK戦を3-1制し、ベスト8への切符を手にした。
そんな日本対クロアチアのPK戦について、『ダゾーン・イタリア』の解説陣がカタールW杯特番「Night Cup」の中で見解を示した。トンマーゾ・トゥルチ記者は、日本の2人目のキッカーである三笘に違和感を覚えたことを明かした。
「2人目の失敗となったミトマのあのPKが引っかかっている。(クロアチア1人目のニコラ)ヴラシッチがPKを成功させてクロアチアのリードとなった後、まさにミトマが蹴るまでにわずかな時間しかなかったからね。まるでピッチの中央から小走りしたのかと思ったくらいだ」
「PKを失敗しそうな時に感じるような感覚だった。それからボールを蹴る前の助走の仕方からも少し同じような印象を抱いた。PKを蹴る時は、冷静に落ち着いてペナルティマークへ向かわなければならない」
続くステファノ・ボルギ記者は、W杯の特別な雰囲気を指摘しつつ、25歳のブライトンMFを擁護。「トミー、W杯なんだよ。ミトマはベスト16の舞台でクロアチアのGKと対峙したんだ。あの場面でしっかり落ち着いてというのはどうだろう。トミー、君なら落ち着いて左足で逆サイドに決められるんだね」と同僚に苦言を呈した。
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ただ、ルカ・ファリーナ記者は、「あの瞬間の心理的な話は別としても、客観的に日本のPKを見てみると、あのPK3回は上手く蹴れておらず、ミスだったと言える」と主張。するとボルギ記者は、「確かにその通りだ。ただ、冷静になるということについて考えてみたが、誰よりも落ち着いているように見えたリヴァヤはゴールポストに当てている。PKにレシピがあるのかどうかは分からない。だがおそらくあの動作に慣れるよう試してみることはできるかもしれない」と自身の見解を示した。
またボルギ記者は、同じくPK戦でモロッコに敗れてベスト16敗退となったE組2位通過のスペインにも言及した。
ルイス・エンリケは前日会見において、PKを1000本特訓したことを明かしていたが、スペインはキッカーの3人全員がモロッコとのPK戦で失敗している。イタリア人記者は「ルイス・エンリケは少しやらかしてしまったね。練習の効果はあるとは思うが、あの場面では、心理的要素が支配してしまったのだろう。(セルヒオ)ブスケツのような選手があんなPKを蹴るなんて想像するのは難しい」との見解を示した。