FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022のE組において、過去に優勝経験のあるドイツやスペインを相次いで撃破し、“死の組”を1位突破するサプライズを巻き起こした日本代表。現地時間5日、ベスト16において、前回大会の準優勝国であるF組2位のクロアチアと対戦したが、120分間の激闘の末、1-1のまま決着がつかず、PK戦において1-3で敗れ、悲願のベスト8の夢は叶わなかった。
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それでもグループステージで歴史的勝利を挙げ、世界を驚かせた日本には、カルチョの国から賛辞が贈られている。
『Quotidiano Nazionale』は、「日本のおとぎ話は、PKにより終わりを迎えた」との見出しでサムライブルーの敗戦を報道。「日本はベスト16においてPK戦まで屈しなかった」が、「(ズラトコ)ダリッチが国内リーグから掘り出したサムライ、ドミニク・リヴァコヴィッチという186センチの壁を乗り越えることができず、またしてもベスト16で足止めされることになった」と伝えた。
日本代表は「元インテルの長友(佑都)が試合前夜に強調したコラッジョ(勇気)を胸にプレーしている限り、花火は打ち上げられ、前田(大然)のゴールで先制することもできた」。55分、長友の元同僚イヴァン・ペリシッチに同点弾を許したが、「延長戦までもつれ込んだのは、下馬評で劣りながらもスペインやドイツを立て続けに倒してみせた日本の功績だった」と指摘。「前回大会の準優勝国との対戦においても、もはや驚きではなかった。日本は自国のファンの涙と、他国の観客の拍手の中で大会を去った」と日本代表の選手たちの戦いぶりを称えた。
日本のサポーターはW杯を制した
『Gazzetta dello Sport』は、「いつものように極めて素晴らしいレジスタだった」と遠藤航のパフォーマンスを称えたほか、伊東純也について「右サイドにおいてほぼ補足不可能だった。12分に黄金のクロスを送り込んだ」などと個人のプレーに賛辞をおくった上で、「日本は歴史的W杯ベスト8のすぐ近くまで行った」と健闘を称えた。
『Corriere dello Sport』は、「初めてのW杯ベスト8進出という夢は、最高潮の場面で打ち砕かれてしまった」と報道。それでも「観客席で涙を流す日本のサポーターたちは確かにマナーや礼儀においてW杯を制したと言えるだろう」と試合後のゴミ拾いで世界の注目を浴びた日本の観客に賛辞を贈った。
また『Il Foglio』は、「献身さと闘争心、そして戦術…日本は強豪国の1つだ」との見出しをつけて森保ジャパンを称賛。「ピッチにおいて、サッカーの祭典で偉業を達成するために必要なすべての要素を持っていた」と綴ると、スペインやドイツとの“死の組”での戦いを振り返り「4回のベスト16進出の中で最も衝撃的だった」と指摘した。さらに森保一監督と選手たちの戦いについて「シニカルさとハイプレスの傑作だった」と絶賛した。
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