森保一監督率いる日本代表は、FIFAワールドカップ（W杯）カタール2022の“死の組”E組において、優勝国のドイツとスペインから大金星を挙げる歴史的偉業を達成して首位通過を果たしたものの、決勝トーナメント1回戦でF組2位のクロアチアにPK戦の末、敗れてベスト16で敗退した。
そんな日本代表について、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が、カタールW杯特番「Night Cup」の中で見解を示した。ステファノ・ボルギ記者は、ベスト16の日本対クロアチアについて試合前から「究極に魅力的で完璧な組み合わせの試合」と注目しており、「日本のスピード」と「クロアチアの精度の高いプレー」の勝負になると分析しつつ、クロアチアの勝利を予想していた。
ベスト16でもサプライズの予感を醸しだしたが…
ボルギ記者は、120分間の激闘の末、1-1のままでPK決着となったことについて「実際に日本とクロアチアの試合は拮抗していた。それにサプライズが起こる予感さえした。だがクロアチアは上手く生き残った」と振り返る。『ダゾーン・イタリア』の解説者はさらに続けた。
「クロアチアにとって非常に難しい試合であり、（ズラトコ）ダリッチのチームは、敗退する可能性がかなり高かったように見える。試合の主導権を握るという点では、（グループステージの）ベルギー戦よりも一歩後退したと感じる。対する日本にとっては、偉業を達成したドイツやスペインとは正反対の試合展開となった」
「先制点を挙げることに成功したが、その後に追いつかれた。両チームにチャンスがあり、どちらかというと日本の方が決定機は多かった。それから延長戦は正直つまらないものだったが、PK戦で（ドミニク）リヴァコヴィッチがヒーローになった」
するとトンマーゾ・トゥルチ記者は、グループステージにおける日本代表の躍進に言及しつつ、ベスト16においても下馬評を上回るプレーだったことを強調した。
「このチームはグループステージにおいて、あらゆる予想を覆す並外れた戦いを見せた。クロアチア戦についても、前評判は技術的な点において劣勢でもあった。PK戦の末に帰宅することになれば、苦い思いは残る。それでもPK戦まで進むことができたのであり、チームは重要なパフォーマンスを示した」
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日本はW杯で何を残したのか？
その上でトゥルチ記者は、「日本は今回のW杯に何を残したのか」と疑問を提起。同僚に見解を求めた。ボルギ記者は、日本が、堂安律や久保建英、冨安健洋や板倉滉に代表される東京五輪世代の育成から始まった仕事の成果を残したのではないかと指摘。長期にわたる日本の努力の結実を称えた。
「日本は今大会において、非常に良くできた仕事をやってのけたことの証明を残したと言うべきだろう。その下準備は、数年前まで遡る。日本サッカーは、自国で開催される東京オリンピックを目標として、最初に若手世代の仕事に取り組んだ。その結果、日本は五輪で準決勝まで到達し、3位決定戦まで戦った。さらに遡ると、2017年のU-20W杯でも素晴らしかったことを記憶している」
「このチームは、極めて果敢で、攻撃的で賢いアイディアに基づいて正しい方法で作り上げられ、そのアイディアを実践することに成功した。W杯ではドイツやスペイン、クロアチアとの対戦で実行して見せた」
「机上の空論ではなく、現代的で果敢なアイディアを持ち、それを実践するために必要な素材となる若手の育成に取り組んだ。一方で、試合を上手く読み解くことができる戦術嗅覚を持った指揮官もいた。こうしたすべての要素が最高の結果を導き出すことになったと言えるだろう。まさにそれが、この大会において日本代表が成し遂げたことだ。PKで敗退したということは、すべての試合で好印象を与えたと言っても良いだろう」
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