『FIFAワールドカップカタール2022』の準々決勝・クロアチアvsブラジルが行われた。ブラジルがゴールに迫りながらも、クロアチア守護神のドミニク・リヴァコヴィッチの好セーブ連発の活躍もあり、スコアレスで延長戦に突入。それでも延長前半アディショナルタイムにネイマールが味方とのワンツーからようやくゴールをこじ開け、ブラジル代表歴代最多タイに並ぶゴールで先制したが、延長後半にルカ・モドリッチが起点なった攻撃からブルーノ・ペトコビッチのゴールでクロアチアが同点。互いの命運はPK戦に委ねられた。
先行のクロアチアが1本目をど真ん中に沈めて迎えたブラジルの一人目、ロドリゴがリヴァコヴィッチに止められると、クロアチアは二人目も中央に沈める屈強なメンタルぶりを発揮。最後はブラジル4人目のキッカー・マルキーニョスのシュートがポストに阻まれ、全キッカーが成功したクロアチアにPK戦の末に敗戦。サッカー王国・ブラジルがベスト8で姿を消した。
この一戦のターニングポイントを佐藤寿人氏は、”細部に宿る”と挙げ、戦術ボードを使ってネイマールのゴールを解説。ポイントに挙げたのは、ルーカス・パケタの背後への動きだ。
ネイマールがクロアチアの中盤ブロックの外でボールを受けたタイミングで、パケタが斜めのランニングでDFラインの背後を狙う。この動きからポジション修正したことで、相手センターバックのデヤン・ロブレンとヨシュコ・グバルディオルの間にパケタを含めたブラジル人アタッカー2枚が位置取ることになった。「最終的にセンターバックの間に2枚いたことでグバルディオルも釣り出されたし、ロブレンもカバーに入り切れなかった。佐藤氏は、「パケタのフリーランニングが先制点の綻びを作った」と解説した。
一方でゲストの脇坂泰斗は、このゴールに「ネイマールが前向きでゴールに向かっていった」ことをポイントに挙げ、「引いていても前向きのスピードには対処し切れない」と解説。その上で対戦相手にブロックを作られることが多い川崎フロンターレでの自身の経験に基づいて、「動かない相手を動かしにいくことがすごく大事。それは出し手も助かるし、DFも嫌だと思う」と解説している。
その他にも、もう一つのターニングポイントになったシーンとして、クロアチアが同点に追いついた前に見られたブラジルの綻びについても語られている。