優勝候補の筆頭だったサッカー王国・ブラジルがまさかの2大会連続でベスト8で姿を消した。
90分間ではゴールをこじ開けられず、スコアレスで迎えた延長前半終了間際、ブラジルがネイマールのゴールで先制したものの、延長後半に途中出場のブルーノ・ペトコビッチのゴールで追いつかれ、PK戦(2-4)の末に敗れた。
この一戦のターニングポイントを”細部に宿る”と挙げた佐藤氏は、失点シーンの直前に見られた”ブラジルらしくなかった”姿をフォーカスした。
116分、クロアチアのロングボールがピッチの外を出た直後に、右サイドバックのダニーロが足を痙攣させ、足を伸ばす素振りを見せた。そこから30秒後、ブラジルがボールを持っていたところから再びクロアチアにボールを奪われ、最終的にはこの流れの中から同点に追いつかれた。
このシーンを佐藤氏は、「これまでのブラジルなら前でキープするという選択もできたが、最終的に時間を進めるという判断ができず、クロアチアに攻撃のキッカケを与えてしまい、そこから足を攣っていたダニーロも戻れず、結果的に追いつかれてしまった」と解説した。
続けて、「誰もが決めるべき人が決めてブラジルが勝つと思っていた中で、自分たちで勝利を放棄してしまった」と指摘。「交代選手は自分のプレーを発揮して得点したいという欲があった。一方で後ろの選手は足を攣っている選手もいるし、このまま守り切りたい。そこのズレが結果的に起きてしまった。そういう細かいところが勝敗を分けた」と解説している。
すると解説の細江克弥氏が「そこでも意思統一をするのがブラジルがサッカー王国たる所以だと思うんですが」と投げかけると、佐藤氏も「そここそがブラジルの強かさのはずだったんですけどね…」とベスト8敗退を嘆いた。
今大会は圧倒的な強さでグループリーグを突破し、ラウンド16も勝ち抜いきたブラジルに準々決勝で待ち受けていた落とし穴。サッカー王国は2大会連続ベスト8で姿を消すことになった。またブラジルを率いるチッチ監督がこの結果を受けて辞任したことも番組内で紹介されると、佐藤氏は「順調にいき過ぎると難しいのかな…」とW杯という一発勝負の難しさについても語っている。