FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022の決勝において、リオネル・メッシを擁するアルゼンチンに2点のリードを奪われるも、エースのキリアン・エムバペが意地を見せ、2-2で延長戦へと持ち込んだフランス。延長戦ではまたしてもリードを許すも、エムバペによるPKで再び3-3の同点に追いついた。
フランスはその後、PK戦に2-4と敗れて2大会連続優勝の夢は破れたが、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』のステファノ・バリジェッリ編集長は、ハットトリック達成で合計8得点をマークして得点王に輝いたエムバペについて「絶対的なフェノーメノ(怪物)」と称えた。
さらにフランス人FWについて「誰にも似ておらず、現代において彼のようなパフォーマンスを見せる選手は他に誰もいない」と指摘。「サッカー界最高峰の芸術家たちの系図においてどこに彼を置くべきか分からないほど」の逸材であると主張した。
また「エムバペは並外れた身体能力に加えて、ずば抜けた技術力も持っている」と称賛。「敗戦濃厚と見えた時、2度にわたって振り出しに戻した」ほか、「決勝戦でPKを含めて4回、ゴールネットを揺らした」決定力を評価した。
ただ、「彼のチームは、メッシを支えたアルゼンチンほどのサポートを提供することができなかった」と指摘。開幕までにカリム・ベンゼマやポール・ポグバ、エンゴロ・カンテらを失ったほか、大会中も体調不良者が続出した上、決勝戦では「試合途中でテオ(エルナンデス)や(オリヴィエ)ジルー、(アントワーヌ)グリーズマンらがピッチを去り、これはエムバペにとっても重すぎた」と振り返った。
その上で「完全な状態のフランスは、アルゼンチンより強く、優れたメンバーがいる」と述べ、イタリア人記者は「未来は彼のものだ」と主張。「次のEUROやW杯で優勝しなかったとしても、主役にならない方が難しい」とエムバペの明るい未来を予測した。Getty Images