16日、各地でJ1、J2、J3の試合が行われた。
6試合が開催されたこの日のJ1リーグ。カシマスタジアムでは5試合負けなしで2位の鹿島アントラーズが3連勝と調子を上げてきた16位の神戸を迎えた。
前半は一進一退の攻防が続き、均衡した展開で推移。終了間際に武藤嘉紀が足を痛め、大迫勇也が代わりに入るアクシデントに神戸が見舞われたが、お互いの集中力が高く折り返した。
一転、後半は激闘の言葉がふさわしい45分間となる。
先手を奪ったのは神戸で52分に背番号10が魅せる。中盤におりてボールを引き出した大迫は右サイドの小田裕太郎に預け、ゴール間に走り込む。次の瞬間、小田のクロスに難しい体勢ながら上手く頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。さらに60分、大迫は巧みなポストプレーからキム・ミンテのファウルを誘うと、2枚目のイエローカードを出させ、退場に追い込んだ。
その直後には汰木康也が決定機を迎えるなど、神戸が有利にゲームを運ぶ時間を増やしていくが、劣勢ながらも2失点目だけは奪われなかった鹿島が次第にペースを握り返す。そして87分、ついに同点ゴールが生まれる。クロスに対して鈴木優磨が落としたボールに合わせたのは和泉竜司。豪快に蹴り込み、振り出しに戻した。
アディショナルタイムに入ってからもお互いに2点目を目指したが、最後は鹿島がカウンターに出て行って防がれたところでタイムアップ。死闘を尽くし合った一戦は痛み分けに終わった。
もう1つの注目カードであるガンバ大阪とセレッソ大阪の大阪ダービーは最後に劇的なドラマが待っていた。
近年の成績で大きく劣り、今季も苦しい状況が続くG大阪であったが、この日は積極的な姿勢が光る。その流れのまま17分には先制に成功。石毛秀樹のCKにクォン・ギョンウォンが合わせた。
ただ、ダービーはこのままでは終わらない。後半に入ると同点、そして逆転を狙うC大阪が攻勢に出る。立ち上がり早々にパスワークでゴール前を切り崩し、最後は山田寛人が流し込んだ。
その後はお互いの意地と意地がぶつかり合う展開で進んでいき、ドロー決着の雰囲気が漂ってきた中、90分にスーパーゴールが生まれる。カウンターから抜け出したジェアン・パトリッキがドリブルで運び右足を一閃。ポストに当たったボールはゴールの内側に吸い込まれ、桜色のファン・サポーターを熱狂させた。
その他の試合では、サガン鳥栖と横浜F・マリノスの一戦はシーソーゲームの末、2－2で終了。浦和レッズは松尾佑介の移籍後初ゴールなどでアウェイで清水エスパルスを下し、ホームで北海道コンサドーレ札幌に勝った柏レイソルは連勝を果たした。また、湘南ベルマーレとアビスパ福岡の一戦はスコアレスドローに終わっている。
4試合が行われたJ2リーグでは、いわてグルージャ盛岡とベガルタ仙台の“東北ダービー”は昇格争いを演じる仙台が力を見せ付ける結果となった。
前半のうちに中山仁斗のゴールで先制し、後半早々に一度を追い付かれるが、そこからゴールラッシュを披露。64分に名倉巧、70分に真瀬拓海のゴールで突き放すと、84分と90＋3分に富樫敬真が2ゴールを決め、大勝を飾った。
同じく上位に付けるアルビレックス新潟はツエーゲン金沢と対戦。29分に高宇洋のゴールで先制点を奪うと、後半立ち上がりには鈴木孝司がPKを決め追加点。終了間際にも鈴木がこの日2点目を決め、首位の横浜FCにプレッシャーをかけた。
残りの2試合は、ヴァンフォーレ甲府と水戸ホーリーホックは1－1で終了。ホームでザスパクサツ群馬に競り勝った大分トリニータは暫定ながらJ1昇格プレーオフ圏内に浮上した。
2試合の開催となったJ3リーグは、上位を争ういわきFCが後半7分から28分の間に4ゴールを奪っての完勝で首位に浮上。AC長野パルセイロはウノゼロでガイナーレ鳥取を下した。
■ 7月16日開催 結果
・J1第22節
鹿島 1-1 神戸
清水 1-2 浦和
名古屋 中止 川崎F
柏 1-0 札幌
湘南 0-0 福岡
G大阪 1-2 C大阪
鳥栖 2-2 横浜FM
・J2第27節
岩手 1-5 仙台
東京V 中止 徳島
甲府 1-1 水戸
金沢 0-3 新潟
大分 2-1 群馬
・J3第17節
いわき 4-0 沼津
鳥取 0-1 長野
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