現役時代にドイツ代表の主将を務め、ワールドカップ優勝を成し遂げたフィリップ・ラーム氏は、カタールワールドカップをボイコットする理由について語った。
11月に中東で初めて開催されるカタールワールドカップ。従来の夏季開催とは異なり冬季開催になるなど異例づくめの同大会だが、開幕前から同国での移民労働者や性的マイノリティへの人権問題といった心配の声が上がっている。
現状を受け、エリック・カントナ氏らがボイコットを宣言する中、ドイツ代表主将として2014年ワールドカップを制したラーム氏も以前から今大会へ批判的な意見を述べてきた。
ラーム氏はフランス『レキップ』でカタールワールドカップをボイコットする理由について「テレビで大会を見ることになるだろう。小さな国の小さな空間に8つもの最先端のスタジアムが存在するなんて、サステイナブルであるわけがない。それに、フットボールの雰囲気もあるはずがない。しかし、ドイツには決勝まで行ってほしい」と話し、人権問題などへの懸念を続けた。
「初めに、人権の問題がある。将来的にスポーツイベントが開催される際、人権はもっとリスペクトされなければいけない。2つ目として、FIFAの初期評価では、複数の候補地がより良い条件を出していた。しかし、カタールがこれに勝ったということは、組織にダメージを与えた」
「私たちは人権についてより議論するようになった。しかし、軍事政権下のアルゼンチンで開催された1978年以降、人権は尊重されてきた。人権はフランスやドイツ、他のヨーロッパの国で無形の原理として形成されてきた。しかし、すべての国でそのようになっているわけではない。2022年にこの状況なのは悲しいことだ」
「フットボール選手たちは人権やその権利の侵害についてもっと声を上げる必要がある。彼らが何も気づいていないなんてこれ以上誰にも言えはしない。だから、選手たちにこのようなことを期待するのは当然のことだ」
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