ワールドカップに出場するオーストラリア代表の選手たちは、2022年大会の開催国であるカタールが抱える人権問題について口を開いた。
11月に中東のカタールで開催される2022年ワールドカップ。従来の夏季から冬季に開催時期が変更されるなど異例づくめの同大会だが、当初から注目を集めるのが同国の人権問題だ。少なくとも6500人の移民労働者の命がワールドカップに向けたインフラ整備のために犠牲になったと伝えられており、さらに性的マイノリティへの対応についても批判的な声が上がる。
これを受け、元選手のフィリップ・ラーム氏やエリック・カントナ氏らがカタール・ワールドカップへのボイコットを宣言。さらに、デンマーク代表のキットサプライヤーであるヒュンメルは、カタールへの抗議を示す異例のユニフォームを発表するなど、さまざまな動きが見られる。
11月20日に開幕を迎える大会まで残りわずかとなる中、オーストラリア代表チームは出場国の中で初めて同国の人権問題に関して口を開く。主将マット・ライアンやファジアーノ岡山のミッチェル・デュークら16選手が登場した動画の中で、カタールが抱える問題を看過できないと語った。
「僕たちはカタールがワールドカップのホストを務めるという決定がたくさんの労働者を苦しめ、傷つける結果になったことを学んだ。これらの苦しんできた移民労働者たちは、僕たちの国やフットボールを形成した移民と何ら変わらない。彼らにはより良い生活を築くための同様の勇気や決心がある」
「このような問題を解決することは簡単なことではない。それに、僕たちにはすべての答えがあるわけではない。僕たちはカタールに永続的なレガシーを作ることを目指す国際機関に賛同している。この中には移民人材センターの設立や、権利を否定され、同性愛で差別されてきた人たちへの効果的な救済が含まれなければいけない」
「これらは全員に認められる基本的人権であり、カタールで継続して発展しなければいけないものだ。2022年FIFAワールドカップのファイナルホイッスルが鳴った後もしっかりと続くレガシーを僕たちは作ることができる。LGBTI+ファンがカタールで歓迎されることを首長やFIFA会長が保証する一方で、これが大会が終わった後も続くことを僕たちは願っている」
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