11月26日に行われたFIFA ワールドカップ カタール 2022グループD第2節では、前回優勝のフランスがデンマークと対戦。2‐1で競り勝ったフランスが、開幕2連勝でベスト16入りを決めている。
解説の細江克弥氏は、デンマークがグループステージ3試合通してのマネージメントである「戦略」と、この1試合をどう勝つかの「戦術」の板挟みだったと分析している。
初戦でチュニジアと引き分けたデンマークは、フランス戦で勝点を取る必要があった。まずは「負けないため」にデンマークは、フランスのストロングポイントであるキリアン・エンバペとウスマン・デンベレを擁する両サイドをケア。5バック気味で立ち位置をキープして守るなど、守備に人数を割いていた。ボールを持った際は、FWのアンドレアス・コルネリウスを使うシンプルな攻撃を選択。これが「戦略」面での戦い方だったと細江氏は解説している。
しかし守備に重きを置くことで攻撃面の怖さを出せず、前半はデンマークの戦い方が機能しなかった。そこでコルネリウスとマルティン・ブライスワイトを交代し、前線に動きのある選手を投入。攻撃サイドに選手を寄せ、左右の揺さぶりを使い始めた。だがこれはフランスにとって、攻撃時にスペースが生まれやすくなる。実際に得点シーンでは、右サイドでボール奪取したのちに左サイドのスペースを使い、最後はエンバペが流し込んだ。細江氏は、デンマークが「戦略」から「戦術」に変更したことによる結果だったとしている。
フランスの強さについても議論。松原良香氏はまず、エンバペらの個人能力を挙げた。一方で「個」によるロングカウンターだけでなく、組織的にも機能していると分析している。さらに現役GKの東口順昭選手は、この2得点で試合を決めたエンバペのスピードを「止まらない」とコメント。対戦した経験を持つ東口選手にとっても、エンバペは圧巻のプレーだった。
なお番組ではこの一戦をはじめ、26日に行われた試合のレビューを行っている。