2大会連続のノックアウトステージ進出を目指す日本代表は、グループステージ最終節でスペイン代表と対戦した。先制を許す苦しい立ち上がりとなったが、堂安律、田中碧のゴールで逆転勝利を飾り、グループ首位通過となった。
ドイツ代表戦に続き、スペイン代表にも勝利するアップセットを見せた日本代表。その要因はどこにあったのか。解説の水沼貴史氏は、日本代表が見せた強度の高いプレスがターニングポイントだったと指摘する。
「前半もプレスにいっているシーンはありました。相手のGKにハイプレスにいってミスを誘う。これができている時の日本はよかった。後半に入り、選手を変えてより顕著に出た。それがプランなのか。前半は我慢しながら戦って、後半一気に前にプレッシャーをかけて出て行くぞという戦いだった」
中でも印象的だった2つのシーンがあるという。1つは34分。前田大然がGKウナイ・シモンにハイプレスを仕掛けた場面だ。シモンは前田のプレスを嫌がるように、右サイドにミドルパスを蹴って回避した。
もう1つは得点につながった48分のシーン。ここでも前田が、三笘薫と連動してシモンにプレス。シモンは、先ほどと同じように今度は左サイドへのミドルパスで切り抜けようとした。しかしそこに伊東純也が連動したプレスを仕掛けてこのボールを奪い、堂安のゴールにつながった。
水沼はこの2つのシーンに象徴されるように、日本のプレスがしっかりと効いていたと語る。
そして、この同点のシーンでもう1つ重要なポイントに挙げたのが、シモンのポジショニングだ。
「前田のプレスを受けて、GKは少し足を気にしていた。それがポジショニングに影響したかもしれない。おそらく本来ならもう少し左(ニア)によるはず。それができず、だから堂安の狙うコースが生まれた。圧力が生んだゴールだった」
ここまで2試合に出場してノーゴールの前田だが、その貢献度は計り知れない。ノックアウトステージでも前田のハイプレスに注目だ。