FIFAワールドカップ(W杯)・カタール2022は、日本時間12月14、15日に準決勝が開催される。
カタールW杯も残すところあと4試合。15日早朝の準決勝ではフランス代表とモロッコ代表が激突する。決勝進出に向けて、両チームが火花を散らす。
フランス
2018年ロシア大会を制し、1958、1962年のブラジル代表以来60年ぶりの連覇を目指してカタール大会に臨んでいるフランス。カリム・ベンゼマやエンゴロ・カンテ、ポール・ポグバといった世界的なスターが欠場しても余りあるタレント揃いのスカッドで大会に入った。
それでもグループステージは2勝1敗で首位通過。突破を決めた後に第3節でチュニジア代表に敗れたものの、それは大幅にターンオーバーを敷いてのもの。ここまで優勝候補大本命としての実力を存分に見せつけており、ラウンド16でポーランド代表に3-1、準々決勝でイングランド代表に2-1で競り勝って駒を進めてきた。
チーム内ではキリアン・エンバペが5得点で得点ランキング単独首位に立つだけでなく、身を粉にしてきたオリヴィエ・ジルーが4得点でリオネル・メッシと並ぶ2位タイ。その他、アントワーヌ・グリーズマンも攻守に抜群のパフォーマンスを披露し、大会に入ってからも続出している負傷者の影響を感じさせないほど、穴のないチームとなっている。
フランスに弱点は存在しないが、モロッコとのかみ合わせを踏まえればサイドで人数をかけた突破が阻まれた際の対応は要注意か。また、ボールを持ちながらも崩しきれない展開となる可能性も予想されるが、これまで通りエンバペの突破力やジルーの高さといった個性をチームとして最大限生かすことができれば、少なくともいくつかのチャンスを作ることはできそうだ。
注目選手:アントワーヌ・グリーズマン
フランスにおける攻守の要として随一の貢献度を誇るグリーズマン。ディフェンスラインまで下がってボールを引き出したかと思えば、次の瞬間にはゴール前で決定的な場面に絡む。グリーズマンがこれまでやってきた仕事を果たせるかどうかはこの試合のキーポイントの一つとなる。
セットプレーやアーリークロス以外のパターンでは、高いインテンシティを誇るモロッコを崩すためには、最も厳しい中盤の密集地帯でボールを受けることが必要となるが、そこでミスが起きたときに待っているのは大会随一のカウンター。グリーズマンは極めて質の高い選手だが、リンクマンとして前線にどれだけボールを安定供給することができるか。そして、分が悪い時間帯にどう舵を切るかが結果を分けることになりそうだ。
予想スタメン(4-3-3)
- GK:ロリス
- DF:クンデ、ヴァラン、ウパメカノ、テオ・エルナンデス
- MF:チュアメニ、ラビオ、グリーズマン
- FW:デンベレ、ジルー、エンバペ
モロッコ
今大会最大のダークホースとして快進撃を続けているモロッコ。グループステージでは2勝1分け無敗という成績で首位通過を果たした。特に第2節ではFIFAランキング2位のベルギーに力を発揮させないプレーを徹底し、2-0での白星で世界を驚かせた。
また、決勝トーナメントに入ってからもラウンド16でスペイン代表をPK戦の末に撃破。続く準々決勝でもポルトガル代表を1-0で破り、アフリカ勢史上初となるベスト4に駒を進めた。
アラブ地域の国家として開催国カタールの現地サポーターからも大きな歓声を受けるモロッコは、夢の舞台で冒険を続けることができるのか。ハードワークと集中した守備、カウンターのクオリティの高さに加え、モチベーションの高さもチームの原動力となる。
決勝戦への道に立ちはだかっているフランスは極めて強力な相手であり、タレント陣の力を最大限引き出してきた対照的な相手。モロッコとしては引き続き相手の長所を消すところから試合をスタートさせたいが、エンバペとデンベレの両サイドにどう対処するかは重要だ。配球役のグリーズマンに極力持たせないことは必須となるものの、エンバペはそれでもボールを引き出して無から有を作り出す。快進撃を導いてきたワリド・レグラギ監督がどのような回答を出すかは、世界中が注目している。
注目選手:ソフィアン・アムラバト
モロッコの戦いを象徴する選手として中盤の底に君臨するアムラバト。特筆すべきはそのボール奪取能力にあり、試合展開を読んだ緩急により華麗なプレーにまで昇華している。前向きのインターセプトからパワフルかつスピーディーなドリブルで、今大会幾度も強豪国に恐怖を与えてきた。
フランスとの一戦ではボックス手前中央の危険なゾーンで相手に自由を与えない仕事はもちろん、カットインしてくるであろうエンバペとのマッチアップも見もの。また、ジルーへの縦パスに対するアプローチも鍵となりそうだが、選択肢の豊富なフランスの意図を読むという点において、この試合こそが真骨頂を発揮できる場となるかもしれない。
予想スタメン(4-3-3)
- GK:ブヌ
- DF:ハキミ、エル・ヤミク、ベノウン、アティヤット・アッラー
- MF:ウナヒ、アムラバト、アマラー
- FW:ツィエク、エン=ネシリ、ブファル
放送日程
キックオフ時間:2022年12月15日(木)午前4:00
放送・配信予定:NHK | ABEMA