今月初めのリーグ戦再開から約1カ月が経過し、首位ナポリの独走は変わらない一方、再開時に2位だったミランが成績不振により後退。3位ユヴェントスは前経営陣の不正により勝ち点はく奪の処分を受け、欧州カップ戦出場権争いから脱落するなど、順位が大幅に入れ替わった。
アタランタの新たな象徴ルックマン
そんな中、攻撃力を武器に躍進を見せたのがアタランタ。5戦無敗の好成績を収め、第20節終了時点で3位ラツィオおよび5位ミランと38ポイントで並び、4位につける。そのジャン・ピエロ・ガスペリーニのチームの好調を支えているのが、昨夏にライプツィヒから加入した25歳のナイジェリア代表アデモラ・ルックマンだ。
そんなアタランタFWについて、チェゼーナ時代の長友佑都の元同僚マルコ・パローロ氏ら『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Tutti bravi dal divano」で見解を示した。ルックマンは2023年に入り、公式戦3試合でドッピエッタ(1試合)2得点を記録。リーグ戦では5ゴールをマークし、現地時間29日時点で怪物アーリング・ハーランドをも上回り、ヨーロッパ5大リーグでトップの成績を残している。
ナポリOBのヴァロン・ベーラミ氏は、「スピードやドリブル、独特のステップなど、彼の特徴を活かせる条件でプレーできていると言える。彼の特徴は、特にセリエAにおいて際立つのではないだろうか」と指摘。「プレミアリーグでは苦戦したようだが、現在のポジションなら自身の能力を最大限に引き出すことができる。ガスペリーニの下で自信をつけ、偉大なプレーを見せている」との見解を示した。
続いて現役時代にミランやユヴェントスなどでプレーしたアレッサンドロ・マトリ氏も、「ルックマンにスペースを与えれば、失点する危険性があるのは当然だ。速いスピードでボールを運び、ゴールを決めることができる選手だ。精度とパワーもある」と賛辞を送った。
またパローロ氏は、アタランタの象徴となりつつあるルックマンの“眼鏡パフォーマンス”に言及。「選手がオリジナルのゴールパフォーマンスを持っているのは良いことだ。子どもたちも真似をするようになるし、そこが素晴らしいね」と述べた。だが現役時代にFWだったマトリ氏は、「私の方が格好良かったよ」と反論した。
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苦しみ続ける王者ミランの今後は?
一方、「Sunday Night Square」では、サッスオーロに2-5と敗れて2位から5位へと転落した王者ミランについて議論が行われた。ミランは8日のローマ戦の試合終了間際までスクデット争いにおけるナポリのライバルとみられていたが、立て続けに2点を奪われて2-2で引き分けると、以降、未勝利が続く。インテルOBのボルハ・バレロ氏が見解を示した。
「ローマ戦のパフォーマンスは決して悪くなかった。あの試合は勝利に値したはずだった。そこからメンタル面で停止してしまった。信じられないほどだ。以前、できていたことをするのに、本当に苦労している。選手全員がメンタル面でストップしてしまっている。本当に困難の時を迎えており、ここから抜け出すのは難しいだろう。ただ、残り試合はまだ多い」
続いてステファノ・ボルギ記者が、スーペルコッパでタイトルを逃し、コッパ・イタリアも敗退するなど深刻な低迷期にあるステファノ・ピオリのチームに持論を展開した。
「ピオリは、自身が何かを変える必要があると話していたが、これまでの試合でも終盤に3バックを敷くなど変化を試みている。今後は、中盤にメスを入れる可能性もあるだろう。短期間で強烈な危機の中に突入してしまった。」
ユヴェントスOBのアンドレア・バルザーリ氏もミランの苦境を分析。打開策を明かした。
「ミランはこの状況から抜けだすために、泥臭い勝利が必要になる。昨シーズンや、今シーズン前半のような勝ち方を目指すべきではない。ゴール前で安心感を与えてくれるGKら重要な選手の不在やコンディション不足により、自信が持てない状況だからね。あの守備のもろさを見ると、まるでチームメートを信頼していないかのように見える」
「中盤を1枚増やすなどシステムの変更は、賢い解決策になるかもしれない。ここから抜け出すためには苦しまなければならないが、選手全員が戻ってくれば、ミランはきっと歩みを取り戻すはずだ。簡単な状況ではない。だからこそ変化が必要だ」
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