今シーズンはスタートダッシュに失敗したものの、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)バルセロナ戦での勝利をきっかけに、猛烈な追い上げを見せてきたインテル。今年に入り、スーペルコッパでシーズン初のタイトルを獲得して勢いに乗るシモーネ・インザーギのチームは、日本時間6日に行われたミラノダービーも制し、単独2位の座を守った。
そんな中、クラブのOBでもあるハビエル・サネッティ副会長が『ダゾーン・イタリア』の「Supertele」に出演。まずは1-0でインテルの勝利に終わった伝統のダービーについて語り、ミラノの両チームに自身の見解を示した。
「ダービーに勝った後は常に、ひと味違う特別な気持ちになる。今回は勝利に値するパフォーマンスでもあった。ミランの不調もあるだろうが、インテルの勝利への意欲も強かった。ただ、ミランのことはリスペクトするべきだ。現在は最高の時ではないかもしれないが、ミランの選手たちは全員、困難から抜け出すことを可能にするパーソナリティを持っている」
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サネッティ副会長が分析する今季のインテル
セリエA第21節を終え、43ポイントを獲得したインテル。18勝2分1敗の好成績で首位を独走するナポリとの差は13ポイントと大きい。サネッティ副会長は今シーズンを振り返り、チームのパフォーマンスを分析した。
「リーグ戦では取りこぼしもあり、もっと良い結果を収めることができた可能性はある。だがそれも含めて、素晴らしい継続性を示しているこのチームがたどってきた軌跡だ。過密日程の中で多くの試合をこなさなければならないとなると、リーグ戦においていくつかミスを犯すことは想定内だ」
「このインテルは対戦相手を困難に陥れようと、自らの試合を仕掛け、常に主役になろうとしている姿勢が見える。また、苦境においても反発心を見せることができるチームだ。アントニオ・コンテ指揮下の1年目からシモーネ・インザーギ体制に至るまで、非常に良い継続性を見せることができている」
「このチームは改善の余地があるにしても、素晴らしい成長を見せており、現在、向けられている批判は過剰と言えるだろう」
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首位ナポリとの違いは?
またインテル副会長は、33年ぶりの悲願のスクデットへ向けて快走を続けるナポリとの差について、自身の見解を示した。
「そもそも、ナポリがものすごいシーズンを送っていることを忘れてはならない。ナポリやルチアーノ・スパレッティを称えるべきだ。スパレッティは、インテルにおいても自身の足跡を残したほか、キャリアにおいて常に実力を示してきた監督だ。現在のナポリにも彼の仕事の成果が見て取れる」
「ナポリはこれまでまったく失敗をしていない。我々は直接対決で勝ったとはいえ、あれは非常に難しい試合だった。リーグ戦におけるナポリとの差は、すべて継続性にあると言える。我々は道中でポイントを取りこぼし、後悔を残す形になった。だがリーグ戦の道のりはまだ長く、罠も仕掛けられているはずだ」
さらにインテル副会長は、今シーズンのセリエAにおける「最も興味深い選手」を問われると、ここまで16得点をマークして得点王ランキングでトップに立つナイジェリア代表FWを選出。「リーグ戦を見る限り、(ヴィクター)オシムヘンだろう。彼は極めて偉大なFWであることを証明しており、将来的に偉業を成し遂げる運命にある」とバラ色のキャリアに太鼓判を押した。
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今季のインテルを象徴する選手は?
コッパ・イタリアでは準決勝へと駒を進め、UCLでも死の組を突破し、ラウンド16へと勝ち進んだインテル。サネッティ副会長は、「我々は今シーズン、すべての大会において最大限の目標を目指さなければならない」と今後の意気込みを語るとともに、今シーズンのインテルを象徴する選手にDFマッテオ・ダルミアンを挙げた。
「シーズン終了時に誰か1人のユニフォームを選ばなければならないとしたら、ダルミアンのものをもらいたい。非常に寡黙な選手だが、常にチームのために尽くしてくれている。起用された場所で常に良いパフォーマンスを見せている。真面目な青年で、どのチームに行っても違いを作り出せるだろう。彼のようなタイプの選手は常に必要とされる」
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今年1月の移籍市場では、DFミラン・シュクリニアルの去就が注目を浴びた。インテルとの契約延長を拒否したスロバキア代表DFは、今冬のパリ・サンジェルマン(PSG)移籍が実現せず、キャプテンマークを剥奪された上で、契約満了を迎えるシーズン終了までミラノに残ることになった。
「状況は非常にシンプルだ。我々はシュクリニアルに対し、こちらとしてできる限りの契約延長オファーを提示したが、彼は拒否した。その決断はリスペクトする。ただ、このクラブのために最善を尽くすことが最優先事項であり、何よりも重要なことは、彼がインテルでプレーしている限り、最大限のパフォーマンスを出せる環境においてやることだ」
続いてサネッティ副会長は、今シーズンのインテルを象徴するもう1人の選手、FWラウタロ・マルティネスに言及。インテルで5年目のシーズンを送り、ミラノダービーでも決定力を示した25歳FWの実力を認めた。
「マルティネスがインテルへやって来てから見せた成長ぶりには満足している。彼のパフォーマンスはどんどん良くなっている。現在は、インテルおよびアルゼンチン代表における強みの1つであり、彼は毎試合でそれを証明している。非常に献身的である一方、負けず嫌いな選手だ。ダービーのような試合においては、情熱的にプレーできる」
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喜びが爆発した母国アルゼンチンのW杯制覇
最後に元アルゼンチン代表DFは、母国の優勝で幕を閉じたFIFAワールドカップ(W杯)カタール2022を振り返った。
「アルゼンチン国民の1人として最高に熱狂したよ。家族とともにW杯を観戦し、あらゆる瞬間を祝福することができた。決勝の最後の数分間の苦しみの後は、喜びが爆発したよ。アルゼンチンは、この優勝を長らく待っていた。サッカーを愛する者なら、メッシが今回のW杯で優勝することを望んでいたはずだ」
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