2021-22シーズン、下部組織を過ごしたクレモネーゼへ期限付きで移籍すると、元アビスパ福岡の指揮官ファビオ・ペッキアの下、クラブにとって1995-96シーズン以来となるセリエA昇格に貢献したファジョーリ。クレモネーゼでの素晴らしい冒険を終え、今シーズンからユヴェントスに復帰すると、すでにユーヴェのサポーターたちを虜にした。
逸材ファジョーリの出発点
ニコロ・ファジョーリは2001年2月12日、イタリア北部のピアチェンツァに生まれ、故郷のクラブでサッカーボールを蹴り始めた。だが2011年、10歳の時に所属クラブが経営破綻。数カ月後に近郊のクレモーナに拠点を置くライバルクラブへ移籍した。
クレモネーゼの下部組織で頭角を現し、各年代別カテゴリーを駆け上がったファジョーリ。すると獲得を狙うインテルやユヴェントスから熱視線を浴びるようになる。
ピアチェンツァの下部組織時代にユヴェントス戦でドッピエッタ(1試合2得点)をマークしていたほか、クレモネーゼにおいても、ユーヴェから得点を奪うなど印象的なパフォーマンスを示していたファジョーリ。家族もユヴェントスファンであったことから、トリノのクラブとの距離は急速に縮まっていった。
ユヴェントス移籍の夢の実現
ファジョーリは、クレモーナでの4年間のプレーを経て、2015年にユヴェントスへ加入。大きな夢が実現した瞬間となった。
ユーヴェでは、U-17で実力を示すと、プリマヴェーラ(U-19)へと昇格。中盤の選手としては珍しく、ゴール前においても継続性を示した。
下部組織指揮官のペッキアやランベルト・ザウリだけでなく、トップチームの指揮官マッシミリアーノ・アッレグリやアンドレア・ピルロの指導も受けた。
2018年夏、ファジョーリのことを高く評価していたアッレグリの下、米国ツアーに帯同し、出場機会を与えられたファジョーリ。わずかな期間にバイエルン・ミュンヘンやレアル・マドリード、MLSオールスターズと対戦し、PKも成功させている。
トップチームで初めて公式戦に招集されたのは、2019年1月27日のラツィオ戦。だがデビューまでに2年間を擁し、2021年1月27日のイタリア杯スパル戦でようやく初めてのピッチに立った。セリエAでのデビューは、翌月22日のクロトーネ戦だった。
2020-21シーズンに実質的にトップチームの一員となったファジョーリ。ユーヴェがタイトルを獲得したスーペルコッパ・イタリアーナの一戦においてもベンチに座り、アルバロ・モラタやクリスティアーノ・ロナウドとともに優勝の歓喜を味わった。
2021-22シーズン、恩師ファビオ・ペッキアの誘いを受けたファジョーリは、出場機会を求めて、かつて自身が育ったクレモネーゼへのローン移籍を決断する。古巣復帰からまもなく、U-21イタリア代表にも招集され、2021年9月3日のルクセンブルク戦でデビューを飾った。
(C)Getty images
クレモネーゼでの武者修行を終えたファジョーリは、2022-23シーズンにユヴェントスへ復帰した。開幕直後はポジション争いに苦しんだが、アッレグリは少しずつ22歳MFに出場機会を与え、ユーヴェの中盤に欠かせない主力の1人へと育て上げた。
昨年10月29日のレッチェ戦では、セリエA初得点をマーク。レジェンドのアレッサンドロ・デル・ピエロ氏を彷彿とさせるゴールでユヴェントスに勝利をもたらした。彼のような才能を持った選手にとって、これが偶然であるはずがない。
ファジョーリの技術的特徴は?
身長178センチのファジョーリは、極めて高い技術力を持ったMFだ。かつてはトップ下でプレーしていたが、成長するにつれて現在のポジションへと位置を下げた。だが技術レベルでの器用さは変わらないままであり、インサイドハーフからレジスタまでこなすことが可能だ。
ニコロ・ファジョーリのプロフィール | |
---|---|
生年月日 | 2001年2月12日 |
出生地 | ピアチェンツァ |
ポジション | MF |
体重 | 66 kg |
身長 | 178 cm |
ファジョーリの所属チーム
シーズン | チーム |
---|---|
2008-2011 | ピアチェンツァ |
2011-2015 | クレモネーゼ |
2015-2021 | ユヴェントス |
2021-2022 | クレモネーゼ |
2022- | ユヴェントス |
文・ルカ・フェオレ/イタリア人ジャーナリスト
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