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【コラム】第2次森保ジャパン、“所信表明”の初陣2連戦…点ではなく線で見ていく価値 | サッカー日本代表

【コラム】第2次森保ジャパン、“所信表明”の初陣2連戦…点ではなく線で見ていく価値 | サッカー日本代表DAZN
【サッカー日本代表ニュース】24日と28日に行われた『キリンチャレンジカップ2023』で、日本代表が示したかったことが見えてきた。ボール保持率の向上、新たな攻撃の構築、選手層の拡充──。FIFAワールドカップ(W杯)カナダ・メキシコ・アメリカ2026に向けた森保ジャパンの再出航を読み解く。
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「安定だけを求めていれば、これまでの選手を使うという意味で安定と安心はあるかもしれません。今回も勝利を目指さないといけないですが、同時に未来も見据えて選手個々のレベルアップとチーム全体の選手層を厚くするということ、戦い方の選択肢を増やすということは絶対的に必要だと思います」

コロンビア代表戦後の記者会見で語った指揮官のコメントに、今回の初陣2連戦で示したかったことが凝縮されている。

FIFAワールドカップ(W杯)カナダ・メキシコ・アメリカ2026に向けた森保ジャパンの再出航。カタールW杯ではドイツ代表、スペイン代表との戦いで5バックの秘策で粘り強さと勝負強さで勝利したが、一方で相手に約80%のポゼッションを許した。そして、コスタリカ代表戦では攻めあぐねて敗れている。ラウンド16でクロアチア代表に敗れた翌日のメディア対応、森保一監督や選手たちが世界で結果を出す可能性を高めるための手段として、口を揃えて言及していたことがある。それが、強豪国相手のボール保持率向上だった。

“耐えてカウンター”だけでは世界で勝ち上がることはできない──。日本サッカー史上、初めてW杯後の契約延長を勝ち取った森保監督は、新たに就任した名波浩、前田遼一両コーチに攻撃の構築を託し、新しい景色を見るための手段としてのポゼッションに取り組み始めた。そこでフォーカスしたのが、サイドバックが内側のレーンに入る戦術だ。

だが、これはあくまでもオプション。サイドバックのポジショニングを中心とした新たなトライは、ボールをつなぎながらゴールを陥れるための意識付けの一環でしかない。ウルグアイ代表との初戦では、選手たちが新チームのスタッフから提示されたプレーを徹底しようとしすぎたことで“手段”が“目的”になってしまう傾向も見られたが、コロンビア代表との第2戦ではゴールという目標を明確にしながら、個の力を活かしつつ臨機応変にプレーしようとする意図は感じられた。選手たちが求められたことを咀嚼し、チーム内でコミュニケーションを重ねて解決策を見出そうとした結果だ。

なお、今回の代表期間中、戦術練習に取り組めたのは2日間のみ。FW久保建英とFW前田大然がコンディションの問題でフル合流できないアクシデントもあった。練習時間が限られていたとしても、集まったメンバーが各自の良さを引き出し合いながら組織的に戦うことが理想ではある。ただ、新チームを立ち上げ、新しい選手を試しながら新しい戦術に取り組んでいる現状を差し引きすれば、見えた課題も含めて未来に向けた新しいチャレンジは評価していい。

さらに加えるならば、歴代の日本代表はアジア予選とW杯本大会での戦い方の違いに悩み、予選突破後に別のチーム作りを求められてきた現実もある。守りを固めてカウンターを狙ってくるアジア勢、高い技術と激しいトランジションで攻め込んでくる欧州や南米の強豪国。日本代表が本当の意味で強くなるためには、そこをシームレスにして、状況に応じた戦い方を選択できるようになる必要がある。それを森保監督もカタールW杯までの4年間で感じたのだろう。肌で経験してきたことがあるからこそ、早い段階から世界で勝ち上がるためのチャレンジにトライしていこうとしているわけだ。

そして今回、選手層の拡充という観点でも未来を見据えた。カタールW杯までは五輪代表を含めた1チーム2カテゴリで活動し、最終的には東京五輪世代が本大会でも輝いた。アクシデントに直面しても戦力が落ちないようにする森保監督のアプローチが間違っていなかったことは証明された。今回の立ち上げシリーズではDF吉田麻也、DF酒井宏樹、DF長友佑都、DF谷口彰悟らベテラン選手が選外となったが、MF遠藤航が「今までずっと積み上げてきたベース、4-2-3-1、4-1-4-1、3-4-3には、戻ろうと思えばすぐ戻れる」と話しているように、裏を返せば戦力として計算の立つ戦い方や選手を外しただけと見ることもできる。

まずは“所信表明”とも言える2試合を終えた。ポイントは今後の活動に向けて何ができるかだ。コーチングスタッフには与えられた時間で何を落とし込んでいくかの取捨選択、つまり代表チームとして短時間での戦術の落とし込みが求められる。集まってすぐに結果を出すことが求められ、毎回メンバーが異なる代表チームへの戦術浸透の難しさに直面するかもしれないが、そこは主軸となる選手たちへ代表活動外の期間でもしっかりとコンセプトを共有し、ピッチ内での解決を促すようにしていくことも必要になりそうだ。

直近の目標は11月からスタートする北中米W杯のアジア2次予選、そして来年1月に開幕するAFCアジアカップ2023となる(開催国変更の影響などにより、開催日程が2024年1月12日から2月10日に)。そこまでに第2次森保ジャパンは何にフォーカスし、どんな積み上げをできるのか。日本代表チームの取り組みを点でなく線で見ていく面白さが、そこにはある。

文・青山知雄

2001年よりJリーグやJクラブの各種オフィシャル案件で編集やライターを歴任。月刊誌『Jリーグサッカーキング』で編集長も務めた。関係各所に太いパイプを持ち、現在はDAZNでコンテンツ制作に従事しながらJリーグ、日本代表の取材を継続中。

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