マウリツィオ・サッリ指揮下で2年目を送るラツィオは今シーズン、セリエA第29節を終えて17勝7分5敗の成績で58ポイントを獲得。74ポイントで独走するナポリの背後につけ、UEFAチャンピオンズリーグ出場権争いで優位に立つ。
直近の第29節では、ライバルのミラノ勢やアタランタがポイントを取りこぼす中、ラツィオはスタディオ・オリンピコで行われたユヴェントスとのビッグマッチにおいて、マッティア・ザッカーニの1ゴール1アシストの活躍により2-1で勝利を収め、7戦無敗を記録した。
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2季目のサッリが成し遂げた飛躍
そんなサッリのチームの成功の秘訣について、『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」に出演した解説陣が議論。まずはラツィオOBのダリオ・マルコリン氏が見解を示した。
「サッリが今シーズンのラツィオで行った最も重要な仕事は、組織的な守備ラインだと考える。攻撃陣も素晴らしいが、ラツィオは昨シーズンからすでに攻撃に関しては優れていたと言える。今シーズンに入ってディフェンスラインが改善され、中盤の選手たちも高い位置に保てている」
「また試合中、常にボールポゼッションを目指し、2、3回のタッチで回しながら、選手全員が動き続ける。これらの点がラツィオの転換点につながったと言えるだろう。それからナポリ戦での勝利が選手たちの自信となり、このチームに勢いを与えてユヴェントス戦での勝利につながった」
ステファノ・ボルギ記者も、マルコリン氏に同調しつつ、ラツィオの躍進の背景を分析した。
「ラツィオの成長を理解するための土台として、守備のシステムと安定性があることは、ダリオが言う通りだ。ただ、付け加えるべき点がいくつもある。(ダニーロ)カタルディがルイス・アルベルトと(セルゲイ)ミリンコヴィッチ=サヴィッチのコンビを支えられるようになり、その代役である(マティアス)ベシーノも信頼性を増した」
「さらにザッカーニも今シーズン、2ケタ得点を記録している。(チーロ)インモービレがいなかったとしても、フェリペ・アンデルソンで攻撃を形成することができる。これらはすべて監督のサッリが行った高いレベルの仕事であり、それが順位表に直結している」
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個の力で劣ってもセリエA最強の守備
セリエAで最強レベルの守備を披露しているラツィオだが、最終ラインを構成するアレッシオ・ロマニョーリやニコロ・カザーレ、アダム・マルシッチ、エルセイド・ヒサイは、個の力においてセリエA最強と言えるわけではない。だがサッリは、各ポジションにおける組織力の向上に取り組み、完璧なメカニズムを作り出したと言える。ユヴェントスOBのアンドレア・バルザーリ氏が見解を示した。
「確かに守備陣の各選手の個の力は最強レベルではないかもしれないが、ディフェンスライン全体は最強だ。それは確かに監督の力もある。それに選手たちの協力的な姿勢があることも良いパフォーマンスにつながっているのだろう」
「ラツィオの4バックの選手たちは、ボールを保持してのプレーが上手い。高いラインを保ち、テンポ良くパスを回すラツィオでは、足元の技術が上手くなくてはならないからね。それからサッリが求めるように、その場の状況を読めるようでなくてはならない。つまり守備陣による偉大な仕事が基盤にあるわけで、献身的にプレーしている選手たちは素晴らしい」
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そんな現時点のラツィオにおけるスター選手は誰だろうか。OBのマルコリン氏は、ルイス・アルベルトを挙げた。
「ルイス・アルベルトがチームの中心となっている。すべてのボールがルイス・アルベルトのところへ戻ってくるからね。これはルイス・アルベルトが現在のラツィオのスターであることを示唆しているように思う。ロッカールーム内において、彼のようなクオリティの高いレジスタがいれば、自然とリーダーに選ばれる」
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