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「生きているのが奇跡。血の海だった」階段から転倒、1カ月の集中治療から生還の元日本代表監督ザッケローニ氏が告白 | セリエA

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「生きているのが奇跡。血の海だった」階段から転倒、1カ月の集中治療から生還の元日本代表監督ザッケローニ氏が告白 | セリエA(C)Getty images
【欧州・海外サッカーニュース】元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が26日、イタリア紙のインタビューに応じ、悪夢の体験を振り返った。

かつてFIFAワールドカップ(W杯)ブラジル2014で日本代表の指揮を執ったザッケローニ氏は、今年2月10日に自宅の階段で転倒して頭部を強打し、救急搬送。チェゼーナの病院で約1カ月にわたって集中治療を受けるなど、その容体が心配された。

ザック氏はその後、地元チェゼナーティコの病院でリハビリに取り組んだのち、先月22日に約2カ月半ぶりに自宅へと戻った。そんな元日本代表指揮官は、イタリア紙『Corriere della Sera』のインタビューに応じると、事故当時の状況を明かした。

「妻のフルヴィアが階段の下で倒れている私を発見した。妻の話によれば、私は頭部を負傷し、血の海にいたという。私が生きているのは奇跡だ。1カ月間、集中治療室にいた時のことは、何も覚えていない」

「あの日のことも、自宅に一緒にいた妻から聞いた。私は階段を下りている途中に足を滑らせたようで、8~10段くらいを転がり落ちたようなんだ。1階にいた妻は、私の叫び声を聞いて気づいたという。私は頭を打っていたので、妻も驚いたはずだ」

「階段から落ちた原因は、抱きかかえていた息子ルカのメスの子犬が前のめりになったので、落ちないようにかばおうとしたことだと思う。その後の出来事も思い出せない。フルヴィアが救急車を呼び、私はチェゼーナの病院へ救急搬送された。そこで集中治療室に入ったが、出血があったので、手術が必要だった。頭にはその大きな傷跡が残っているよ」

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命を落とす可能性もあった

大事故であったにもかかわらず、一命をとりとめたザック氏。幸いにして脳へのダメージは見られず、入院先の関係者へ感謝の意を述べた。

「目が覚めた時、家族の面会は許されていなかったので、部屋にはメディカルスタッフしかいなかった。起き上がって自分の両足を見ると、1カ月間、寝たきりだったせいか、まるでお年寄りの足のようになっていた。信じられなくて『筋肉はどこへ行ってしまったのか』と自問自答したよ」

「あれだけの事故で自分が幸運だったかって? 端的に言うと、私は危うく命を落とすところだった。(頭部を)ひどく強打したのでね。脳にダメージがなく、本当にほっとしている。私を担当してくれた2つの病院の医師やスタッフ全員は素晴らしく、感謝しなければならない」

「医療関係者の仕事を当たり前と考えてしまうことはよくあるかもしれないが、私がこうして話をしながら歩けているのは、医師らのおかげなんだ」

病院で迎えた70歳の誕生日

4月1日には、入院先で無事に古希を迎えることができたザッケローニ氏。現在も視力への影響や短期記憶に障害が残るが、失った筋力の回復を目指してウォーキングに取り組んでいる。

「4月1日がちょうど70歳の誕生日だったが、生きてその日を迎えられない可能性があったことを自覚している。あの日は、70歳の年齢ではなく、回復に集中していたよ。視力が落ちたが、最初のケガの状態を考えれば、最小限のダメージと言えるだろう」

「現在、運転免許がないのだが、再取得するためにはテストを受けなければならない。それから短期記憶に少し障害がある。これから日常生活を取り戻していきたい。以前はウォーキングが趣味だったが、いまは欠かせない日課になっている。昨日は10キロ歩いたし、筋力を取り戻せるよう努力している」

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