下部組織を過ごしたアタランタからパルマを経て、2019-20シーズンにアントニオ・コンテ指揮下のインテルに加入したアレッサンドロ・バストーニ。ミラノで4年目のシーズンを終えようとしている24歳のイタリア代表DFが、『ダゾーン・イタリア』の特番「1vs1」に出演。その素顔を明かした。
”カップ戦のスペシャリスト”インザーギの秘密
シモーネ・インザーギ指揮下のインテルは、2シーズン連続でコッパ・イタリアとスーペルコッパ・イタリアーナで優勝。今シーズンは13年ぶりにUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)の決勝へと勝ち進むなど、一発勝負のカップ戦で無類の強さを発揮している。バストーニが“カップ戦のスペシャリスト”との異名を持つインザーギのチームの成功の秘訣を明かした。
「僕は幸運なことに、インテル1年目にUEFAヨーロッパリーグ(UEL)決勝を経験することができた。周囲からは『決勝でプレーすることに慣れなければならない』などと聞こえてきて、そこで一発勝負の決勝は、他のどんな試合とも異なることに気づいたんだ」
「僕ら自身だけでなく、スタッフのおかげもあり、この4年間で何度も決勝を経験し、タイトルを獲得することができた。このペースで結果を残し続けることができるよう願っている」
「僕の経験から言えることは、監督は僕らを落ち着かせるのが上手い。通常、決勝をプレーするとなれば、かなり緊張するだろうが、監督はこうした試合に向き合うのにふさわしい冷静さを周囲に浸透させてくれるんだ」
「それから、これまでも言ってきたことだが、重要なのは、困難の時にチームが結束することだ。強い人間が集まった1つのグループとして、問題に向き合うことが大切だ。時には問題を解決するために、意見をぶつけ合うことも必要だ」
「仲の良い家族であってもそういったことは起こるよね。こうして僕らはお互いに話し合い、何が問題であるのかを理解しようと努めた。1人の人間として、選手としての偉大さとは、問題をよく観察し、それを乗り越えることにあると思う」
監督就任当初から、同じく3バックを採用する前任のコンテとの比較を受けてきたインザーギ。現インテル指揮官は、より流動的でウィングバックによる攻撃が特色とされていたが、今シーズンは両WBによる積極的な攻撃よりも、安定した守備に重きを置いているかに見える。バストーニが自身の見解を示した。
「最初は高い位置を取って押し込んで攻撃していたが、カウンターを受けることが多かった。攻撃への意欲が強すぎて、本来の自分たちDFの役割を忘れていたのかもしれない。そこで、まずは守備に集中し、それからゲームを組み立てて攻撃をしていこうという考えに至った。バランスの問題だ」
(C)Getty Images
ライバルのミランとのユーロダービー
UCLの準決勝では、ミラノのライバルであるミランとのユーロダービーが実現。インテルDFは、ミラン戦の勝利のカギを明かした。
「上手く行ったよ。ベンフィカ戦前の会見において、試合は重要であるがカルチョの試合であることには変わりないので、いつものように振る舞うつもりだと話した。ユーロダービーの時も同じだ。相手がミランであれ、他のチームであれ、いつものように練習に取り組むのが僕らの仕事だ。冷静に試合へ臨み、第1戦ですぐにアグレッシブに仕掛けたのが、勝利のカギだったと思う」
「試合前の1週間の過ごし方は、選手それぞれ異なるだろう。僕はできるだけ考えずに、穏やかに過ごすように努めた。こうしたチャンスで冷静さを失ってしまってはダメなので、可能な限り冷静さを保つことが重要だった」
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UCL決勝の対戦相手マンチェスター・Cは全員怖い
現地時間10日にイスタンブールで行われるUCL決勝では、ジョゼップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティとの対戦へ挑む。ジョゼ・モウリーニョ指揮下でトリプレーテ(国内リーグ&カップ戦およびUCLの3冠)を達成した2010年以来となるタイトルの獲得へ、バストーニは手ごたえを感じている。
「僕らの状態は良いし、自信も持っている。ミランとのダービーは、僕らにとって重要であり、バッテリーが100%に充電された感じだ。年間57試合もプレーしているだけに、これは大きい。勝つことでエネルギーや力が生まれ、気合が入るので、勝てたことは重要だった。すぐさま次戦へ挑みたくなるほど意欲もわいてくる。イスタンブールへ向けて大きな自信を持っている」
「決勝は不安にならないかって? 考えてしまうことはあるが、コンテ指揮下において20歳でデビューを飾り、穏やかに過ごすことを学んだことは、僕の強みだ。ただ、僕らの生活がカルチョである一方、その脇には家族やパートナーらがいる。それこそ本当に大切なものだと考える。もちろんワールドカップ(W杯)やUCLの決勝は、誰もが子どもの頃から夢見る重要な試合であり、そこでプレーできる僕らは恵まれている。楽しまなければならない」
インテルDFは、そのうえで、自身の憧れであるグアルディオラが率いるマンチェスター・Cとの対戦へ警戒を強めた。
「(ケヴィン)デ・ブライネと(アーリング)ハーランドのどちらを恐れているか? 誰に当たったとしても、あのチームの選手なのだから、全員怖い。シティは最強のチームだ。それに僕はグアルディオラのことを尊敬している」
「彼のチームやDFのプレースタイルが好きで、シティの試合は非常によく見ているよ。本当に弱点が少ししかないチームで、ハーランドやデ・ブライネらを擁する攻撃陣は本当に恐ろしい。僕らは非常に良いプレーを見せてシティを抑えなければならない」
(C)Getty Images
古巣アタランタの19歳逸材にラブコール
続いてバストーニは、『ダゾーン』のリポーターによる短い質問に回答。まずはインテルの練習で最も苦しめられている相手や、セリエAで最も難しかった対戦相手を明かした。
「練習での対戦が一番難しい選手は、ラウタロ(マルティネス)だ。セリエAの対戦となると、ローマにいた頃の(エディン)ジェコかな。まるで公園で子どもを相手にプレーしているようだったよ」
そこへ同僚のマッテオ・ダルミアンが通りがかり「そこはダルミアンだろ」とツッコミを入れられたバストーニ。すると「フランチェスコ・アチェルビとダルミアンのうち、どちらに驚いたか」と次の質問を投げかけられると、即座に「ダルミアンだ」と答えた。
また、「成長するために参考している選手」を問われると、再び「マッテオ・ダルミアンだ(笑)」と回答。続けて「それからさっきも話したように、ルベン・ディアスや(マヌエル)アカンジらシティの選手たちを参考にしている」と明かした。
最後にイタリア代表DFは、推しの若手に古巣アタランタに所属する19歳のDFジョルジョ・スカルヴィーニを挙げた。
「スカルヴィーニのことは、すごく気に入っている。彼もDFとして僕のことを好きでいてくれているみたいなので、近いうちにインテルかイタリア代表で同僚になれないかな? これは僕からの招待だ」
(C)Getty images
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