ナポリの33年ぶり3度目となる悲願のスクデット獲得で幕を閉じた今シーズンのセリエA。UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場圏内は2位ラツィオ、3位インテル、4位ミランと続き、勝ち点剥奪の処分を受けたユヴェントスは7位でのフィニッシュとなった。
そんな中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣を務めるユヴェントスOBのアンドレア・バルザーリ氏、ミランOBのマッシモ・アンブロジーニ氏、そしてステファノ・ボルギ記者が「Sunday Night Square」の番組内において、今シーズンを振り返った。
伊解説陣が選ぶ最優秀選手
バルザーリ氏らは、今シーズンの最優秀チームおよび指揮官に、全会一致でナポリとルチアーノ・スパレッティを選出。最優秀選手についても、26ゴールを挙げてスパレッティのチームを優勝へ導くと、セリエA得点王に輝いたヴィクター・オシムヘンで意見が一致した。
ボルギ記者は、セリエA のMVPとなったフヴィチャ・クヴァラツヘリアではなく、同僚のナイジェリア代表FWを選出した理由を論じた。
「個人的にオシムヘンにライバルはいなかったと思う。セリエA得点王であり、ナポリをけん引した。また、重要な試合において決定力を示し、極めて美しいゴールも決めている。彼が今シーズンの最優秀選手だ」
一方、バルザーリ氏は、ジョージア代表の新星と比較し、悩んだうえでの選択であったことを明かしつつ、「クヴァラツヘリアと迷ったが、オシムヘンのけん引力がものすごかった。決定的なゴールを挙げ、きわどい時間帯で決定力を示すなど、チームへの貢献が見て取れた。私の答えはオシムヘンだ」と見解を示した。続いてアンブロジーニ氏も、オシムヘン選出の理由を語った。
「ナポリは、彼が不在だった序盤を上手く乗り切ったね。オシムヘンは、(ジョヴァンニ)シメオネや(ジャコモ)ラスパドーリが好パフォーマンスを見せた後で戦列に復帰したが、スパレッティが彼の先発起用に疑問を抱くことはなかった。オシムヘンは、そこから止まらなかった。彼の選出に迷いはまったくない」
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セリエAのサプライズとなったチーム
次に、今シーズンのセリエAでサプライズを巻き起こしたチームが議題に。ユーヴェOBとボルギ記者は、マウリツィオ・サッリ指揮下の2年目で2位と躍進を見せたラツィオを挙げた。バルザーリ氏がその理由を明かした。
「ラツィオは戦力的に5位か6位が妥当だったと考えるが、実力以上の結果を残したと言える。守備に関してはセリエAで2番手となる強さで、信じられないようなシーズンを見せた。(エースのチーロ)インモービレの離脱が長引く中、オートメーション化されたプレーを披露し、2位でフィニッシュした」
ボルギ記者は、開幕前からサッリの2年目に注目していたが、自身の予想をも上回る快進撃に賛辞を贈った。
「継続的にサッリの指導を受けてきたことや補強の選択を踏まえれば、ラツィオの成長は期待できた。それでも、リーグ戦で圧倒したナポリを除くすべてのチームよりも上位につけることは考えられなかったことであり、私は今シーズンの新星にラツィオを選びたい」
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一方、アンブロジーニ氏は、古巣ミランの元名物会長であるシルヴィオ・ベルルスコーニ氏が率いる初昇格のモンツァを挙げた。シーズン途中から若手指揮官ラファエーレ・パッラディーノが率いたチームは、14勝10分14敗の成績を残し、11位で終えた。
「持てる力をすべて振り絞ったラツィオも素晴らしかったが、モンツァの選手たちもすごいことを成し遂げた。彼らが当初、立っていたスタートラインにも注目するべきだろう。(前任の)ジョヴァンニ・ストロッパの仕事は決して悪くなかった」
「だが、パッラディーノが指揮官に就任すると、誰もが考えもしなかったことが起きた。獲得したポイント数を見ても、モンツァが成し遂げたことは、ラツィオよりも驚くべきものだった」
今季の新星となった指揮官
イタリアの解説陣は続いて、今シーズンの新星となった監督を選出。全員がモンツァの39歳指揮官パッラディーノを推した。ミランOBが語る。
「常に何らかのサプライズを組み込む監督だ。モンツァを見ていると、全員参加のプレーでポジショニングなどに関しても、前の試合とは異なる何かが起きるような予感が常にしていた。モンツァは偉大な研究室となるかもしれない。次のメルカートを経た後のモンツァの今後に期待したい」
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続いてボルギ記者も、野心あふれるモンツァの若手指揮官を称賛した。
「パッラディーノは、偉大な指揮官になろうという確固たる考えを持っているように見えるって? 輝かしい面白いアイディアに関して、ものすごい信念を持っているのだと思う。私は彼のセリエAデビュー戦となったユヴェントス戦を担当した時のことを思い出すよ」
「当時は、直後に代表戦でリーグが中断するのに、ユヴェントス戦でデビューさせるなんてと思ったが、フォーメーションを見るなり、3-4-2-1の右ウィングバックにパトリック・チュリーアが起用されていたのには驚いた。ユヴェントスを相手に、左利きの攻撃的な選手を置いたのだからね」
「チュリーアはカルロス・アウグストとともに、モンツァで最高のパフォーマンスを見せた選手だった。パッラディーノは分析した末に彼をそこで起用したんだ。また、信じられないような結果をもたらすだけでなく、美しいカルチョでもあると言える」
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