今回も3つの事象をピックアップ。その中で注目されたのが、J1第17節横浜F・マリノス対柏レイソルの97分の場面だ。
柏の高嶺朋樹からのロングボールをDFエドゥアルドがカットし、そこから一気に横浜FMのチャンスに。最終的にMFマルコス・ジュニオールのパスをFW宮市亮がシュートし、DFに当たりながらもゴールに吸い込まれて劇的な決勝弾となった。しかし、ここでVARが介入。リプレイで見ると、エドゥアルドがパスカットした場面でFW細谷真大とDF永戸勝也が接触して転倒したシーンがあった。結局、映像を確認した上で主審はノーファウルと判断し、ゴールは認められたが、この判定が妥当だったのかを議論した。
まず今回の事象はAPP、いわゆる攻撃側のチームがボールを保持し攻撃に移る局面であったのかを問われた元国際審判員の家本政明氏は、「いい質問ですね」と答えた上で、今回の場面に対する見識を口にした。
「厳密に言うと、APPの前なのかなと。あくまでもボールをカットした、そこからパスが出ますけど、ここからが基本的な考えからするとAPPなはずなんですよね。ただ、見方によればほぼ同時に見えるので、十分APPのタイミングでポッシブルファウルがあったと見れるかなと思います。だからVARが介入したことがあながち競技規則と照らし合わせてみても間違っているとは思わないですね」。
今回の場面について最初に振られた福西氏は、「確実に抜けていたならファウルでも致し方ないと思いますけど、エドゥアルドが取れるような状況のボールだったことを考えるとファウルではなかったのかなと見えました」と主張。また、確実に抜けそうなボールだったとしたらファウルを取ってもおかしくないと明かした。
一方、坪井氏は「福西さんと同じ意見ですかね」と同調。ただ、「DFからすると(ファウルを)取られがちです」と語り、故意ではないけど取られることが多いとし、もしこれが裏に抜けるようなボールならファウルになると見解を述べた。
両者の意見を聞いた家本氏は「ボールが届かなかったからコンタクトがあっても、というのは関係ないです」と強調。この場面はコンタクトが不用意であったかどうかがポイントになると説明した。
その話を聞いた福西氏は「僕は考えが変わりました」とし、「サッカーはコンタクトスポーツなのでほぼファウルなんじゃないか」と述べた。
それを踏まえた上で家本氏は「映像を見た限り、主審は不用意と判断しなかったシーンなのかな」としつつ、これまでの経験や考え方によって判定の基準は変わるものとして今回の場面はこういった判定になったのではと推測した。
最終的に家本氏は「当たって最初によろけるのは永戸選手なんですよね。そうすると誰がコンタクトを起こしたのかをなかなか言い切れないと思う。コンタクトして自分がよろけることはなかなかないじゃないですか。そう考えても不用意な反則が行われたと解釈されるのは厳しいのかな」と語り、レフェリーの判断は妥当としつつ、結論を出すのが難しい場面だったと思いを明かした。
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