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AFC U17アジアカップ

【注目選手紹介】アジア連覇を目指すU-17日本代表は個性派集団。得点量産が期待される前線に、中盤は実力者揃い | AFC U17アジアカップ

川端暁彦
【注目選手紹介】アジア連覇を目指すU-17日本代表は個性派集団。得点量産が期待される前線に、中盤は実力者揃い | AFC U17アジアカップDAZN
【サッカーU-17日本代表・プレビュー】6月15日から7月2日にかけてタイで開催される、AFC U17アジアカップ2023。2018年大会のディフェンディングチャンピオンとして連覇を目指す日本の注目選手を紹介していく。
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AFC U17アジアカップが15日に開幕。グループDの日本は17日にウズベキスタンとの初戦を迎える。国際試合の真剣勝負の中で輝くことが期待されるタレントたちを紹介してみたい。

得点量産が期待される2トップ

2023-06-16-U17-Japan-michiwaki(C)川端暁彦

写真:FW道脇豊(ロアッソ熊本)

まず名前が挙がるのは、チームのエース格であり、この代表で唯一“プロ”としての実績を積み上げている道脇豊だろう。今季は明治安田生命J2リーグで計9試合に途中出場。出場時間は限定的で、「まだ結果を出せていない」と本人が悔しそうに語るように数字を残せているわけでもない。ただ、「プレーの幅が広がった」とも言い、大木武監督、藤本主税ヘッドコーチの薫陶を受けながら成長している手応えはあると言う。今大会はその成果を見せる好機だろう。

「動き出しが自分の得意なところ」。そう胸を張るように、186cmの長身ながらそれに頼ったプレーをするというよりも、ゴールへ向かってダイナミックに動き出していくことを武器とするストライカー。クロスに合わせる能力もあり、この代表チームではヘディングでのゴールも多いが、昨年の段階から「もっと得点のバリエーションを増やさないといけない」と取り組んできた。「受けて一枚かわして打つ」を一つのテーマにしてきただけに、その成果が出るかも注目だ。

2023-06-16-U17-Japan-nawada(C)川端暁彦

写真:FW名和田我空(神村学園高)

その道脇と前線で“九州コンビ”を組むことになるのが、名和田我空だ。大柄な道脇とは対照的に小さな体に確かなスキルとエネルギーを詰め込んだアタッカー。昨年度の全国高校サッカー選手権大会では1年生ながら神村学園の主力として活躍して名を売り、Jリーグクラブのスカウトたちからも熱視線を集めている伸び盛りである。

「ゴールもアシストも好き」と語るように、ドリブルで仕掛け、ラストパスを通し、そして自らゴールも狙っていく「10番」タイプ。またこのチームではセットプレーのキッカーとしても重要な役割を担う。

大会を前にFW陣には負傷者が相次いでしまったこともあり、「あの二人にはやってもらわないといけない」と森山佳郎監督も期待を寄せる。“スーパーサブ”としての起用が中心になりそうな弾丸FW高岡伶颯(日章学園高)を含めて得点量産に期待したい。

力のある選手、個性を持つ選手が揃う

2023-06-16-U17-Japan-sato(C)川端暁彦

写真:MF佐藤龍之介(FC東京U-18)

中盤にも力のある選手が揃い、森山監督は「中2日の連戦になるので、選手の出場時間はコントロールしていきたい」とローテーションしながら戦うことを示唆している。その戦い方において軸になりそうなのは、チームの10番を背負うマルチロール型MFの佐藤龍之介だ。

流れるようなボールタッチに加えて、戦術的な勘の良さも備えており、中盤の中央でもサイドでも、あるいはもっとゴールに近い位置でのタスクを課されても自在にプレーしてみせる。ルヴァン杯などを通じてより高いレベルでのプレー経験をすでに持っているのも、チームにとって大きな財産と言える。

2023-06-16-U17-Japan-yamamoto(C)川端暁彦

写真:MF山本丈偉(東京ヴェルディユース)

またポテンシャルの点からいくと、185cmの長身ボランチである山本丈偉の個性も見逃せない。U-22日本代表の山本理仁を兄に持ち、ゲームの流れを読みながら少ないタッチで鋭いパスを通していく。身体的にはまだまだ発展途上だが、ミドルレンジから意外性のある“一発”も備える。中盤には緩急自在のドリブラーである同僚のMF川村楽人(東京ヴェルディユース)もおり、このホットラインも見逃せない。

2023-06-16-U17-Japan-yamaguchi(C)川端暁彦

写真:MF山口豪太(昌平高)

中盤は他にもコンダクタータイプのMF中島洋太朗(サンフレッチェ広島ユース)、中央で攻守に果敢なプレーを見せるMF矢田龍之介(清水エスパルスユース)、1年生ながらメンバー入りを果たした独特なセンスの光る技巧派の山口豪太など多士済々。「誰を出してもいいチームでありたい」という森山監督の指揮下、複数のシステム、起用法を使い分けることになる。

またバックラインにもユニークな個性を持つ選手が揃う。爆発的な攻撃参加が魅力のDF吉永夢希(神村学園高)、組み立てもできてフィニッシュにも絡める攻撃派のSB柴田翔太郎(川崎フロンターレU-18)など個性派が揃い、最後尾を締めるGK後藤亘(FC東京U-18)は抜群のシュートストップで「絶対に無失点」とゴールにカギをかける。

5年前の前回大会および7年前の前々回大会、そして9年前の前々々回大会からはMF田中碧、堂安律、久保建英、中村敬斗、DF冨安健洋、菅原由勢、半田陸、瀬古歩夢、GK谷晃生といったA代表選手たちが続々と誕生している。今大会もそうした“SAMURAI BLUEの卵”たちを目撃する良い機会となることだろう。

文・ 川端暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開し、現在に至る。

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