今節、最も注目されたのは、名古屋と横浜FMの首位攻防戦だ。
試合はホームの名古屋が立ち上がりに攻勢をかける。前線から激しいプレスをかけていき、奪ってから素早い攻撃を展開する場面を作り出していく。すると8分、バイタルエリアでルーズボールを拾ったFW永井謙佑がシュートを放つと、相手にディフレクトしたボールがそのままゴールに吸い込まれて名古屋が先手を奪った。
ただ、首位を走る横浜FMも黙っていない。時間が進むごとに名古屋の狙いを封じていくと、28分にGK一森純のパントキックから抜け出したエウベルがGKを交わしてゴールに流し込み、試合を振り出しに戻すことに成功。これで勢いづくと、35分には華麗なパスワークから最後はMF藤田譲瑠チマが決め、逆転して後半へと折り返した。
それでも試合は簡単に終わらない。後半早々の47分、相手のミスを拾った名古屋は、素早い攻撃からFWマテウス・カストロのラストパスにFWキャスパー・ユンカーが合わせて再び同点となった。その後、互いに多くのチャンスを作り出したが、あと一歩のところで守備陣が身体を張り、ゴールを奪うことができず。激闘となった試合は2-2のドローに終わった。
また、今節は二つのダービーが開催。等々力陸上競技場では川崎フロンターレと横浜FCが神奈川ダービーで激突した。
試合は序盤から川崎Fが主導権を掌握。時折、自陣に仕掛けられることもあったが、11試合ぶりの出場となったチョン・ソンリョンが好セーブを見せると、13分には左サイドからのクロスをFW山田新がうまく合わせて先制に成功した。これで勢いに乗った川崎Fは、33分にFW宮代大聖がPKを沈めて追加点を奪い、前半を2点のリードで折り返した。
後半は川崎Fがなかなか追加点を奪えなかったため拮抗した展開になった時間帯もあったが、最終的には川崎Fがうまくゲームをコントロール。89分には途中出場のMF瀬川祐輔が華麗な切り返しからダメ押しの3点目を決め、試合を決定づけた。このままゲームを締めた川崎Fは神奈川ダービーを制し、3試合ぶりの勝利を飾った。
もう一つのダービーマッチとなったG大阪と京都の試合は、緊迫した雰囲気の中で推移していく。前半は互いになかなかうまくボールを動かすことができず、そこまで多くのチャンスを作り出すことができなかったが、後半は徐々に積極的な動きが見えてゴール前に近づく場面を作っていく。
そんな中、試合を動かしたのはG大阪だった。72分、右サイドから攻撃を仕掛けたG大阪は、MF山本悠樹が中央にクロス。FWイッサム・ジェバリには合わなかったが、ファーサイドへ走り込んだMF福田湧矢がヘディングで押し込み、大きな先制点を奪った。これでゴールが必要になった京都は終盤に猛攻を見せる。だが、最後までG大阪は粘り強い守備を続けて失点を許さず。最終的に1-0で勝利したG大阪が6試合負けなしとなった。
そのほか、サンフレッチェ広島と鹿島アントラーズの一戦は互いに譲らず1-1のドロー。サガン鳥栖は終了間際にFW富樫敬真がゴールを決め、劇的な形でセレッソ大阪に勝利している。
■J1リーグ第20結果
新潟 0-1 神戸
名古屋 2-2 横浜FM
広島 1-1 鹿島
浦和 0-0 FC東京
柏 1-1 湘南
川崎F 3-0 横浜FC
G大阪 1-0 京都
福岡 2-1 札幌
鳥栖 2-1 C大阪
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