FC東京は今季、2年目のアルベル体制でスタートしたが、成績が伸び悩み、J1第15節から第17節にかけて3連敗。するとクラブは、監督交代を決断し、新指揮官に清水エスパルスやモンテディオ山形などで指導歴のあるピーター・クラモフスキー監督を招聘した。
すると就任後は、2勝1分けと成績が浮上。特に前体制での平均失点が『1.7』に対し、就任後3試合は無失点を継続。その他にもショートカウンターや相手人内でのボール奪取におけるスタッツが向上している。
ピーター・クラモフスキー新監督がどのような手腕でFC東京の立て直しを図ったのか。その変化を解説陣が徹底解剖した。
前体制では、アンカーを置く「4-3-3」を採用していたが、現体制では[4-2-3-1]に変更。そのシステム采配によって林氏は、「後ろのビルドアップが安定した」と指摘し、「ワンボランチからダブルボランチに変更したことで、前線にクリーンにボールを届けることができるようになった」と効果を分析した。
さらに林氏が2つ目の変化に挙げたのが縦に速い攻撃だ。ボールを奪ってから3本以下のパスでのシュート回数が前体制では1試合平均が「1.88」本に対し、現体制では「3」本と増加。佐藤氏は、「アルベル体制では目的と手段のズレが多少あったが、今は目的にいち早くというのができている」と変化を口にした。
そして3つ目は、林氏が「強度と守備戦術が非常に明確になった」ことを挙げた。敵陣ではハイプレスを徹底し、「前からいった時に後ろが連動できていなかったらスペースを与えるだけになるが、全体がマンツーマン気味で捕まえられている」と変化を指摘。また敵陣だけでなく、自陣ゴール前でのクロス対応でも「2列目から出ていく選手にはボランチがついていく。クロスの時に2CBと逆サイドバックで3枚を作って、もう一人のボランチがボックス手前まで戻るという『3+1』という形を徹底できている」と解説した。
また林氏は、独特な表現で改めて戦術の重要性をこう語った。
「例えばピッチの選手たちに絵を描いてくださいと言ったら、みんな描く絵がバラバラになる。フルーツを描く人もいれば、人を描く人もいる。それがバナナを描いてくださいと言われれば、みんなバナナを描く。それが戦術。その指示によってみんなが同じ絵を描けるようになる」。
これがFC東京の場合は、「選手たちに約束事が組み込まれているから判断が速くなって強度が高くなっているように見える。ハードワークができなければクラモフスキー監督の下では出られない。その中で戦術が明確だからこそ、これをやればいいということで全体のインテンシティーの高さが生まれている」と復調の要因を指摘した。
今週末は鹿島アントラーズをホームに迎える。生まれ変わったFC東京は、この調子を維持していけるか注目だ。
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