【プレビュー】首位ターンの行方は。前半戦最後に首位・愛媛が鹿児島と、2位・富山が奈良との”上位対決”に臨む ｜ Jリーグ

前節は、昇格圏にいる2チームの明暗が分かれた。首位の愛媛FCは、先制を許しながらも試合終了間際の2ゴールで逆転に成功。苦しみながらも劇的な形でヴァンラーレ八戸を下し、勝ち点3を死守した。一方で鹿児島ユナイテッドFCは、前後半に2つのカウンターから失点を許し、アスルクラロ沼津に完敗。この結果を受けてカターレ富山がFC琉球に競り勝ったことで、再び順位が入れ替わり、富山が２位、鹿児島が３位という状況で今節の前半戦最後のゲームを迎えることになった。

前節を終えて首位ターンの可能性を残すのは、首位の愛媛と２位・富山の2チームに絞られている。両者の勝ち点差は「2」。そういった状況下で迎える今節は、日曜日に愛媛が3位の鹿児島と、土曜日に富山が6位の奈良クラブとそれぞれ敵地での”上位対決”に臨む。

鹿児島は、ここが正念場だろう。この直接対決に敗れれば、首位との差が「7」に広がってしまう。6試合負けなしの4位・沼津や5試合負けなしの6位・今治FCなど、その背中を追うチームの勢いも無視できない。前半戦ラストゲームはこれまで以上に勝利が求められる一戦になる。注目は、FW藤本憲明だ。第11節の松本山雅FC戦でリーグ戦での初ゴールを決めたが、以降は7試合無得点が続いている。個人としてもこの流れを断ち切るためにも前半戦の最後にゴールという形でチームを勝利に導きたいところだ。

5試合負けなしと好調をキープする愛媛は、連勝中の直近2試合は逆転勝利を飾っている。前々節の富山戦ではFW深堀隼平が初先発でハットトリックという活躍を見せれば、前節はルーキーのMF深澤佑太が途中出場から反撃の狼煙を上げるJリーグ初得点を奪取。そして最後は出場停止明けの松田力が劇的な決勝点を沈め、エースが勝利に導いた。試合毎に新たなヒーローが登場する中で今節は誰がチームを救う存在となるか注目したい。

奈良は、7月に入って福島ユナイテッドFCとFC岐阜を無失点で下して復調を見せていたが、前節はFW浅川隼人とFW嫁阪翔太のゴールで2点差を逃げ切れず、SC相模原に逆転負け。精神的なダメージが残る黒星とはなったが、5月から6月にかけてなかなか勝てずに苦しんだ経験を活かしたい。特にエースの浅川は3試合連続ゴール中と再び調子を上げている。この一戦でもカギを握る存在となるだろう。

富山は、水曜日に中止となっていたアルビレックス新潟との天皇杯3回戦の残り15分間を戦ったが、この短時間で状況を覆すことはできなかった。それでも鹿児島、富山と2つの直接対決に敗れた悔しさを前節は、セットプレーからMF坪川潤之のゴールでリードを奪い、5試合ぶりのクリーンシートで逃げ切っている。中2日という厳しい日程ではあるが、この状況をチーム一丸で乗り切って、再び首位へ浮上するチャンスを掴みたいところだ。

その他、前節ホームで待ちに待った勝利を飾った相模原が初の連勝をかけて好調の今治と対戦する。前半戦を勝利で締めくくり、後半戦への勢いを掴むのはどのチームになるか注目だ。

J3リーグ第17節 対戦カード

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