現役時代、ユヴェントスやアタランタで活躍したプランデッリ氏は、古巣アタランタの下部組織で指導者のキャリアをスタートし、ヴェローナやパルマ、フィオレンティーナなどの指揮官を経て、2010年にイタリア代表監督に就任。EURO2012では準優勝の成績を残した。
その後は、ガラタサライやバレンシア、アル・ナスルなどイタリア国外で指揮を執り、2018年にジェノアの指揮官に就任して母国へ復帰。2020年には10年ぶりに古巣のフィオレンティーナに舞い戻ったが、わずか4カ月ほどで辞任し、今年3月に監督業引退を決断した。
現在は家族との時間を大切にしているプランデッリ氏。『ダゾーン・イタリア』のインタビューに応じると、「まったく穏やかに過ごしている。指導者に復帰するつもりはないが、情熱は変わらない。一生、情熱を持ち続ける」と語り、引退への強い意志を示すとともに、カルチョへの熱い思いを明かした。
そんな元イタリア代表監督は、“優秀な指揮官”を巡って持論を展開。ルチアーノ・スパレッティが率いた昨シーズンのナポリを例に挙げて語った。
「一般的な話として、優秀な指揮官とは、選手たちの特徴に合わせて最大限のパフォーマンスを引き出せる監督のことを言う。だが、それもケースバイケースだ。ナポリを例に見てみよう。ある時、(カリドゥ)クリバリ、(ロレンツォ)インシーニェ、(ドリース)メルテンスを同時に放出した」
「そこで幹部らはどうしたかというと、似たような特徴を持った代役の選手たちを探し出した。それから新選手たちを指導し、自身のカルチョに適応させたスパレッティも極めて優秀だった。ナポリは、どのようにプロジェクトを計画すべきかを示す良い模範と言えるだろう」
getty
直近のFIFAワールドカップ(W杯)2大会を欠場し、前代未聞の苦難が続くアッズーリ。元イタリア代表指揮官は、根本的な問題として、育成部門の意識改革が必要であるとの見解を示した。
「若者たちに指導をする者は、明確なミッションを掲げる必要がある。選手たちの才能を何よりも優先するべきだ。スクデットの獲得やトルネオ・ディ・ヴィアレッジョでの優勝はうれしいことだが、それが第一の目標になってはならない」
「若手をトップチームで抜てきできるようにすることを絶対的に優先するべきなんだ。わからない者は、この仕事をやめた方がいい。才能に制限をかけるようなことをすれば、イタリアのカルチョは終わりだ。それからイタリアに才能がいないなんて言う者を信じたらダメだ。イタリアに才能ある選手は山ほどいる。見つけ出せばよいだけなんだ」
戦術面が重視されるイタリアのカルチョ。プランデッリ氏は、早い段階から子どもに戦術の指導をすることは不適切であると考えている。
「14歳までは教えない方が良い。それまではサッカーを楽しむことや技術面を覚えることが重要だ。子どもの技術面のクオリティに集中するべきだ。私の時代は、戦術的な動きは誰かが説明する必要もなく、自然に理解できたものだ。ピッチで何時間も試行錯誤する必要もなかった。現在のセリエAでは、基本的な技術ミスがみられる。その理由は問うまでもないだろう」
関連記事
● 【インタビュー】守備の名手ネスタ氏が持論「私は横浜でもゴールを決めた。誰だってFWをやりたい。DFはさせられるもの」トレゼゲ氏とミランやユーヴェの将来も語る | セリエA
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。