今夏、ズラタン・イブラヒモヴィッチやサンドロ・トナーリ、ブライム・ディアスが去った一方、ルーベン・ロフタス=チークやクリスティアン・プリシッチら新戦力が加わったミラン。スクデット奪還を目指すステファノ・ピオリのチームは、ミラネッロでプレシーズン合宿をスタートした。
そんな中、今夏から背番号10番を背負うレオンとベテランのジルーが、『ダゾーン・イタリア』の「インサイド…ミラン合宿の一日」に出演した。
ジルーが語るイブラヒモヴィッチやマルディーニ
36歳のフランス代表FWは、年上のイブラヒモヴィッチやパオロ・マルディーニ元TD(テクニカルディレクター)との別れを惜しみつつ、ロッカールーム内においては、ベテラン選手としてチームの若手のサポートを買って出る。
「ボールが恋しかったよ。ここミラネッロへ戻ってきて、同僚や新しいチームメートたちに会えてうれしく思っている。マルディーニは、僕が子どもの頃に大好きだった選手の1人だ。僕にとってイタリアを代表する上質なクオリティだ。それに彼と監督が、僕がミランでプレーするチャンスを与えてくれたんだ」
「イブラが現役引退を決断したのは残念だ。ロッカールームにおいて、彼の不在は強く感じられるだろう。僕は昨シーズンと同様に、ロッカールーム内でみんなの“兄”のような存在になれるよう努力したい。僕の経験を活かし、常に若手選手たちをサポートできるようにしたい」
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昨シーズンは、今年1月に失速してナポリの独走を許し、セリエA2連覇を逃した。ジルーは今シーズンこそ、ミランにとって20回目となるリーグ制覇を目指している。
「キャリアにおいては、目標を設定する必要がある。僕らの目標は、リーグ戦やUEFAチャンピオンズリーグにおいて可能な限り最高のシーズンを送れるようにすることだ。2つ目のステッラ(優勝10回で与えられる星)を獲得することができたら素晴らしいんだけどね」
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レオンはエムバペになれるか?
続いてジルーは、24歳のレオンが自身のフランス代表の同僚キリアン・エムバペと同レベルになるために必要なものを問われると、持論を展開した。
「僕はラファのことをよく知っているからこそ、彼がエムバペと同レベルだと伝えるわけにはいかない。そう言ったら、僕らはラファを失ってしまうことになるからね。もちろん彼は素晴らしいクオリティを持っているので、これからさらに進化し、エムバペのレベルにたどり着ける潜在能力がある。そのためにはスタッツの面でも改善していく必要があるだろう」
さらに36歳FWは、チェルシー時代もチームメートだった新戦力のクリスティアン・プリシッチに期待を寄せている。
「クリスティアンは、スピードがあって狭いスペースでのプレーを得意とする選手だ。エリア内でのプレーも上手い。彼のことはよく知っているが、プラスアルファの何かをチームにもたらしてくれるだろう」
36歳でもまだ貢献できる
昨シーズンは、セリエAで13ゴールを挙げ、ヨーロッパ内の36歳以上の選手の中で最多得点をマークしたジルー。36歳FWは、今シーズンもミランでの活躍に自信を持っている。
「今年も昨シーズン同様のパフォーマンスが出せるかどうか? 自分のフィジカル状態なら続けられると感じているからこそ、いま、ここにいる。メンタル面も問題なく、モチベーションは高い。競争心もあるので、まだチームに貢献できると感じている」
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レオン、10番を背負う責任
2019年夏にリールから加入し、ミランでの5シーズン目を迎えるレオン。2028年までの大型契約を新たに結び、退団したブライムから背番号10番を受け継いだ。クラブにおいてますます重要な中心選手となりつつあるポルトガル代表の24歳が、新たなシーズンへ意欲を示した。
「チームメートたちと練習を再開する日がやって来たね。これから重要なシーズンが待っている。契約を延長し、穏やかな気持ちではあるが、良いパフォーマンスを見せ、チームがより高いレベルへ到達できるように貢献しなければならないという責任がある」
「ミランにおいて、ルイ・コスタや(クラレンス)セードルフらが背負ってきた10番は重要な背番号だ。子どもの頃に見ていた10番の選手とは、そのクラブを代表する選手であり、個人のエゴにこだわらず、重要なタイトルを獲得できるように決してあきらめず、チームメートたちを高みへ導いていける責任感をもった選手だったと思う」
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みんなのアイドルだったマルディーニ
名門ミランを代表するレジェンド、マルディーニ氏は、昨シーズン終了後にディレクターの座を追われ、チームを離れた。レオンは、特にメンタル面におけるサポートを受けていたことを明かした。
「マルディーニは技術面については何も語らなかった。僕の実力をわかってくれていたのだろう。だが、時間を守り、開始時間までに集中力を高めていくとか、メンタル面についての指導を受けた。僕ら全員にとってアイドルのような存在だった。僕はメンタル面で大きなサポートをしてもらったが、彼は現役の頃からそんな人物だったはずだ。だからこそ、長らくミランのカピターノを務めていたのだろう」
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ジルーからの期待
ミランの未来を背負う若手レオンには、ベテランのジルーも数々のアドバイスを送り、成長をサポートしてきた。24歳FWは、そんなジルーの期待に応えようとしている。
「ジルーからは、『ラファ、君は並外れたクオリティを持っている。ゴールを決めても、2点目を取りに行かなければダメだ。決してあきらめるな。常にボールを競りに行け。君の調子が良ければ、チームの調子も上がるんだ。僕は数多くの若手を見てきたが、君のようなクオリティを持っている若手はごくわずかだった。無駄にせず、常に活かしていかなければならない』と言われている」
「ピッチに入れば、みんなからチームのためにゴールやアシスト、重要なプレーを期待されるのは当然だ。時には上手く行かない試合もあるが、それが必ずしも悪いわけじゃない。みんなは僕がピッチでできることをわかっているからこそ、多くを求めるのであって、僕にとっては常にポジティブなことであり、刺激なんだ」
続いてミランの新10番は、今夏にチェルシーから加わった同世代のプリシッチについて、その印象を語った。
「逆サイドのレオンになりたいと言っていたって? 彼はとても良い選手だよ。チームの技術やクオリティレベルを引き上げてくれる重要な選手だ。ミランとは、そういう選手がいるチームなんだ。右サイドには、アレクシス(サレマーカーズ)やジュニオール(メッシアス)もすでにいるが、1対1などで違いを作り出せる選手が求められている。プリシッチもそんな特徴を持った選手だと思う」
今季の目標とバロンドールの野望
ミランに加入した2019-20シーズン以降の4年間、6得点から7得点、14得点から16得点と、徐々にゴール数を増やしてきた。今シーズンのレオンは、課題のヘディングを改善し、公式戦20得点以上を目標としている。
「5年目の今年は、20~25ゴールを狙いたい。数字として結果を出すことも重要だ。ピオリは僕のヘディングシュートが少ないと怒っている。僕のフィジカルならもっと決められるはずなのに、エリア内にいなかったり、空中戦でボールをとらえるための動きをしていなかったりして怒られている。だが、この課題には取り組んでいるので、今シーズンはもっとヘッドで決められると思うよ」
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最後に24歳のポルトガル代表の逸材は、バロンドール受賞という大きな野望を語った。
「サレマーカーズは、僕ならバロンドールを獲得できると言っていたって? もちろん、それは頭の中にある。僕が目指している個人目標だ。自分なりに良い取り組みをしていると思うし、あのレベルに近づいてきていると感じている。僕がそのレベルに到達できるように、毎日、みんながサポートしてくれるクラブにいるんだ。いつか達成したい目標だよ」
放送・配信予定
- ミラン vs バルセロナ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2023年8月2日(水)日本時間12:00
- 解説:中山淳 実況:倉敷保雄
- 会場:アレジアント・スタジアム
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