今年もミランやレアル・マドリードとの米国ツアーでプレシーズンをスタートさせたユヴェントス。日本時間の来月21日に控えるウディネーゼとの開幕戦へ向けて準備を進める中、今夏にリールから加入したウェア家2代目のサラブレッド、FWティモシー・ウェアと、昨シーズンに頭角を現した下部組織出身の若手MFニコロ・ファジョーリが、『ダゾーン・イタリア』の「インサイド…ユヴェントス合宿の一日」に出演した。
父の背中を追いセリエAへ
現役時代にミランなどで活躍し、1995年にバロンドールを受賞したリベリア大統領のジョージ・ウェア氏を父に持つティモシー・ウェア。今夏、トリノへ上陸したばかりの23歳FWは、「これがユーヴェなんだね。ラ・ヴェッキア・シニョーラ(老貴婦人)だ」と心を躍らせた。
「最高の気分だよ。ずっと心に描いてきた夢が現実になった。僕を常に背中を押してくれた神様や家族に感謝しなければならない。ここにいることができて幸せだ。数日前からチームメートたちと練習を開始したが、すごく気に入っている。最高のクラブだよ」
「僕の一番の強みはスピードだ。それからテクニックも持っているつもりだし、クロスを上げたり、アシストを記録したり、得点を挙げるのも好きだ。ここユーヴェにおいても、何らかの形でチームに貢献できるよう願っている」
米国代表FWは、かつてセリエAでプレーした父ジョージ氏からもユヴェントス行きの後押しを受けたことを明かしつつ、移籍話が浮上した時から自身の意思を固めていたことを強調した。
「もちろん父の意見も決断する上で重要だったが、それだけじゃない。ユーヴェが僕に関心を持ってくれていることを知った瞬間から、ここへやってくることに確信を持っていたし、ここへ来るためにどんなことでもしたいと感じていた。そこで、ここへやって来た時についていけるように、ユーヴェの試合を見始めたんだ」
ミランのユニフォームを身にまとい、バロンドールのトロフィーを掲げるジョージ氏の写真。これはユーヴェFWにとって見慣れた光景だ。
「この写真は額に入れて家に飾ってある。朝、起きると、毎日のように目にする写真だ。こうした物が、自分を限界まで追い込み、できる限り上手くなりたいと思わせてくれるのだと思う。父が世界一の選手になるために努力してきたことを意識できるからね。もちろん簡単なことではないが、父は実現したんだ。だからこそ目標は到達できるものだと常に思っている」
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ミランFWレオンとの共通点
ミランに所属するポルトガル代表FWラファエウ・レオンは、ウェアの子ども時代からの友人であり、2人は共通の趣味を持つ。
「僕は気分転換をするために、音楽を作るのが好きなんだ。アスリートとしてフットボールに100%集中しているから、時々、そこから離れて音楽をやったり、映画を見たり、楽器を弾いたりするのは素晴らしいことだよ。僕の“小さな趣味”といったところかな」
「レオンも音楽をやっているって? 知っているよ。子どもの頃からの僕の友人なんだ。彼も本格的に音楽をやっていて、いい曲を作っていると思うよ。それにセリエAでも良いパフォーマンスを見せているね。彼の活躍はうれしく思っている」
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成長を遂げる生え抜きの注目株ファジョーリ
ユヴェントスの下部組織出身のファジョーリは、昨夏にレンタル先のクレモネーゼから復帰すると、昨シーズンのリーグ戦26試合に出場、3得点を挙げるなど、マッシミリアーノ・アッレグリ指揮下で頭角を現した。22歳MFは、下部組織から身にまとってきた白黒のシャツに「このユニフォームが誇らしい。敵地で嫌われたとしても、なおさら誇らしく感じるよ」と胸を張る。
「プレシーズン合宿は、フィジカルもシーズン中の状態とは異なり、作り直さなければならないので1年間で最も厳しい時期だ。だからシーズン中よりも難しい部分がある。だが、シーズン序盤の試合へ向けて最善の準備をし、シーズン目標を達成するために大切なことだ」
ファジョーリは、昨シーズンのパフォーマンスを振り返りつつ、自身が一番成長した点として守備における注意力を挙げたほか、指揮官のアッレグリに言及した。
「走るのは好きではないかって? 走るのは好きだよ。ピッチでは走らなければならないんだ。勝つためには、走らなければならない。特に相手を追走することも好きにならなければならない。一番成長を感じたのは、守備面での注意力かな。この点について監督から多くを学ぶことができた」
「監督はピッチにおいて、みんなを落ち着かせてくれる。技術的なミスを犯した時に怒鳴り散らすようなタイプじゃない。むしろ一番に慰めてくれる。どちらかと言うと、間違った態度を示した時に怒る監督だ。だから試合中は常に集中力を保たなければならない」
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目指すはピルロ&モドリッチ
そんなファジョーリが目標としている中盤の選手は、かつてユヴェントスやイタリア代表で活躍したアンドレア・ピルロだ。また、ピルロの引退後は、ルカ・モドリッチからヒントを得ていることを明かしたほか、自身が驚いた選手として、ミランのレオンやテオ・エルナンデスを挙げた。
「現役時代のピルロが大好きだった。彼はフェノーメノ(規格外の選手)だったよ。現在はモドリッチのプレーをよく見ている。昨年のツアーの親善試合で対戦したが、すごかったよ。相手がタックルを仕掛けようとする前に、ボールを目の前から消し去ってしまうんだ。驚いた選手? 対戦したことはないが、テオ・エルナンデスとレオンだ。2人とも並外れた選手だよ」
ユーヴェの新世代のリーダー
2021-22シーズンのクレモネーゼでのプレーを経て、昨夏にトリノへ舞い戻ると、トップチームで印象的な活躍を見せた22歳のファジョーリ。ファビオ・ミレッティらとともに注目を浴びる新世代のリーダーは、ユヴェントス下部組織の若者たちにとって憧れの的となっている。
「僕が新世代のユーヴェを引っ張るリーダーだって? すでに年上の選手たちがチームを上手く引っ張ってくれているし、常にサポートしてくれているよ。確かに、僕は年下の選手たちの憧れかもしれない」
「U-23でプレーした後、レンタル先で1年間プレーし、それからここへ戻ってきて出場機会を得た。成長路線として素晴らしいと思うよ。だがそれは、自らふさわしいことを示して勝ち取らなければならないものなんだ」
「13歳の時にユーヴェに入団して9年近くになる。僕はここに立つことを常に夢見てきた。だがそれまでに、プリマヴェーラまでの年代別カテゴリーを経験しなければならないし、U-23にも所属した。プロの世界へ入るための準備をする大切な場所と言えるだろう。僕はさらに別のチームで1年間セリエBを経験したが、これも大いに役に立ったと思う」
「クレモネーゼでは、セリエA昇格を勝ち取ることもできたので幸運に恵まれた1年だった。それからユーヴェへ戻ってきて、プレーするチャンスも与えられ、本当に満足しているよ。だが、毎年、あらゆる面において成長を続けていかなければならない。僕は自分のクオリティでもある得点力について改善していく必要があると思っている。それからできる限り多くの試合でプレーしたい」
(C)Getty images
最後に若きユーヴェMFは、来年6月に開催されるUEFA EURO2024出場を目標としていることを明かした。
「EUROに出場することは僕の夢だ。イタリア代表の中盤は本当に強い選手が揃っている。だが、僕なら実現できるはずだ。そのためには、多くの犠牲を払い、多くの情熱を注がなければならない」
放送・配信予定
- ユヴェントス vs レアル・マドリード
- 配信:DAZN
- キックオフ:2023年8月3日(木)日本時間8:30
- 解説:福田正博 実況:河村太朗
- 会場:キャンピング・ワールド・スタジアム
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