今夏、ミラン移籍が間近に迫ったものの、幹部の退任の影響などでミラノ行きが消滅した鎌田。その後、サウジアラビアへ移籍したセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチの後釜を求めるラツィオが7月中旬に獲得に乗り出したが、クラブの上限を上回る年俸500万ユーロ(約7.8億円)の要求に驚き、撤退したかに見えた。
しかしラツィオは再び鎌田側と接触し、現地時間2日に基本合意に至ったことがイタリアメディア各紙で報じられた。
ラツィオとの交渉の舞台裏
『Corriere dello Sport』は3日付でその舞台裏を伝えている。ラツィオは、セリエA開幕が数週間後に迫る中、補強が一向に進まない状況にあった。
そんな中、「(指揮官のマウリツィオ)サッリから揺さぶりを受けた会長がビアンコチェレステ(白、水色の意味でラツィオのチームカラー)のメルカートの栓を抜いた」と指摘。「月曜日(先月31日)の(クラウディオ)ロティートとサッリの会談」がきっかけとなり、ラツィオの補強が一気に動きだしたと分析した。
こうして、ラツィオは「火曜日(今月1日)に日本人選手側と再び連絡を取ると、交渉は数時間ほどで熱くなった」とみられ、「カマダは今日(3日)にも、昨日の口頭合意を決定するために、代理人とともにフォルメッロへやってくる見込み」となった。
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契約条件は各紙の見解に違い
なお、年俸はボーナスを含めて300万ユーロ(約4.7億円)とされ、ラツィオの「テクニカルスポンサーであるミズノが年俸の支払いに協力する事実は確認されていない」と指摘。また契約期間については、「これから定める必要がある」と述べ、「カマダ側は2~3年(2年間+延長オプション)を希望する一方、ロティートはより長期の契約を強く求めているが、取引は夜に決定する可能性がある」と伝えた。
また、代理人らの手数料についても言及。「当初の要求は500万ユーロとみられたが、昨日は400万ユーロ(約6.2億円)前後との情報が流れた」とも報じた。
『Gazzetta dello Sport』も同様に3日、ラツィオと鎌田の電撃交渉について伝えている。年俸に関しては、ローマのスポーツ紙との間で認識が異なり、「ラツィオの年俸上限を超える年俸500万ユーロからスタートしたが、それを下回る金額で合意に至った。正確には(ボーナスのない)340万ユーロ(約5.3億円)」と伝えた。
また、契約期間については「3年目の契約延長オプション付きの2年間で合意となるだろう」と指摘した。続けてラツィオが鎌田と並行してFWグスタフ・イサクセンの合意も取りつけたことで新戦力2人を事実上確保したことに触れ、補強が停滞状態から脱して「サッリはホッとできる」状況になったと分析した。
鎌田がラツィオにもたらすもの
ローマのスポーツ紙は、さらにサッリ指揮下における鎌田の役割についても触れ、「右インサイドハーフを務めたミリンコヴィッチのポジションを引き継ぐ」と指摘。「国際舞台での素晴らしい経験値をもたらすうえ、日本のマーケットの扉を開くことになるだろう。マーケティングにおける補強にもなる」との見解を示した。
来年1月のアジアカップで約1カ月にわたって不在となることを懸念点として伝えつつ、元フランクフルトMFの欧州や日本代表での実績を強調したうえで、最後に「明後日に27歳の誕生日を迎えるカマダは、イタリアとラツィオというプレゼントを自らに贈ることになる」と綴り、締めくくっている。
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