スペインが生んだ、世界最高峰の点取り屋──。キャリアの最終盤をヴィッセル神戸でプレーし、現在DAZNスペインで解説を務める元スペイン代表FWダビド・ビジャ氏は、これまでに所属したクラブや代表で数多くのタイトルを獲得してきた。
DAZNのオリジナル番組『OR7GEN(オリヘン)-ビジャとクラックたちの原点-』では、ビジャ氏がかつての古巣を訪れ、一時代を共に築いた仲間と様々な事柄について語り合う。ビジャ氏がアトレティコ・マドリードに続いて訪れたのは、自身が3シーズン所属したバルセロナ。同クラブで主要タイトル3冠を達成し、計8つのタイトル獲得に貢献したビジャ氏は「バルサで活躍するには特別なDNA必要」と語る。その“特別なDNA”を持つ男が、バルセロナのクラブ施設を訪れたビジャ氏を笑顔で迎えた。
「バルサのDNAとは思いやりだ」
バルセロナで一時代を築き、現在は同クラブの指揮官を務めるチャビ監督は「我らがビジャは驚異的!」とかつてのチャントを叫びながら、旧友との再会を喜んだ。
下部組織で育ち、バルセロナというクラブを知り尽くしているチャビ監督は、選手たちに求められる要素について語り出した。
「最も重要なのは仲間のことを考える能力だ。例えば、マークされてる選手にパスを出したら面倒な状況に立たせてしまう。仲間の状況を考慮してこそ、いいパスが出せるんだ」
「人生も同じだよ。今の社会には他者への感情移入が不足してる。バルサのDNAとは思いやりだ。フリーの選手を把握することで、いいパスや攻撃につながる。バルサのDNAは1つの生き方とも言えるよ」
1968年、クラブ会長だったナルシス・デ・カレラス氏が行なったスピーチで発せられた、“Més que un club(クラブ以上の存在)”という言葉。今ではバルセロナを表すフレーズとしてすっかり定着したが、指揮官となったチャビ監督は改めてこの言葉の重みを噛みしめている。
「“チャビのバルサ”と言われることの重圧はある。選手はプレッシャーを仲間と分け合えるけど、監督は毎試合のように足りない点を指摘される。正直に言ってつらい時もあるよ。でも僕は根っからのバルセロナサポーター“クレ”だ。クラブにすべてを捧げるよ」
チャビ監督は「バルセロナでは誰もが多くを要求される」と強調した。それは選手や監督のみならず、用具係やドクターでさえも──。だが、バルセロナのレジェンドは、その要求度の高さこそがバルセロナを“Més que un club(クラブ以上の存在)”たらしめる所以だと主張した。
チャビ監督と同様に下部組織で育った元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタも、バルセロナで過ごした日々の重要性を語る。
「大勢の仲間やプロ選手とラ・マシア(バルセロナ育成組織の選手寮)で過ごしたおかけで、僕はいい人間になれたと思う。今、バルサでの時間を振り返って思うけど、本当にすばらしい経験だった」
ラ・マシアを訪ねた家族が帰ってしまうと、2日間泣きっぱなしだったというイニエスタ。傷付いたイニエスタに寄り添ったのは、ジョフレ・マテウ氏(後にレバンテなどで活躍)ら当時のラ・マシアの仲間たちだったという。同僚が示してくれた「バルサのDNA=思いやり」があってこそ、イニエスタはトップチームまで上り詰め、世界的な選手にまで成長したのだった。
OR7GEN(オリヘン)-ビジャとクラックたちの原点-
配信:DAZN
視聴期限:2026年12月31日
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