ジェノアは昨シーズン、セリエBへ降格したものの、昨年12月にジラルディーノが下部組織から昇格してトップチームの指揮官に就任すると、昇格プレーオフ圏内から順位を上げて自動昇格となる2位でフィニッシュ。わずか1年でセリエA復帰を決めた。
かつてイタリア代表の一員として世界の頂点に立った若き指揮官は今シーズン、監督として初めてのセリエAに臨むことになるが、そんな中、『ダゾーン・イタリア』の「インサイド…ジェノア合宿の一日」に出演した。
夏の合宿では「苦労して汗を流すことで、フィジカルや戦術だけでなく、チームスピリットやDNAが決まる。選手たちは非常に協力的で一生懸命やってくれている。これは指揮官にとって重要なことだ」と語るジラルディーノ。過去を振り返ると、2019年にキャリアの出発点としてセリエDのレッツァートを選択した理由を明かした。
「私はセリエDやセリエCから指揮官としてのキャリアをスタートした。なぜなら特に1年目は、本当に自分がやりたいことなのかどうかを見極めたい気持ちがあったからだ。だが実際、思っていた通りだった。数カ月が経過する中で、研究や努力、献身さが求められる監督という仕事に対する情熱は増していった。私にとって大切なキャリアだったと言える」
ジラルディーノはその後、プロ・ヴェルチェッリやシエナでの指揮を経て、昨夏にジェノアの下部組織の監督に就任。当初は、周囲から自身の選択を疑問視する声も上がったが、昨年12月にトップチームの指揮官に昇格するチャンスをつかみ、チームを1年でのセリエA復帰へと導いた。
「昨シーズン開幕前は、ジェノアの下部組織の指揮官に就任するという私の決断に納得していない者も多くいて、『少しクレイジーだ』と思われていたかもしれない。だが、トップチームを上手く引き継いで結果を出し、私の意欲と決意により1年後に自分が正しかったことを証明できた」
「私がチームを引き継いだ12月頃は、目の前の一日を過ごすことを考え、1試合ごとに向き合っていた。わずか1年でセリエAに復帰できたのは、失敗がまったくなかったか、ほとんどなかったということを意味するはずだ」
(C)Getty images
偉大な指揮官から学んだ教えを糧に
選手から指導者に転身した元イタリア代表FWにとって、名だたる指揮官たちとの出会いは重要だった。 「数多くの優秀な指揮官に出会えたことは幸運だった。2006年W杯で忘れられない経験を共にした(マルチェロ)リッピ監督や、ミランで指導を受けたカルロ・アンチェロッティ。ここジェノアで出会った(ジャン・ピエロ)ガスペリーニや、ボローニャのステファノ・ピオリ。選手としてのキャリアの序盤にパルマで出会い、その後はフィオレンティーナで指導を受けたチェーザレ・プランデッリら全員の名前を挙げたらきりがない」
「その全員が私に何かを与えてくれた。ただ、こうした偉大な指揮官から得たインプットはあるにしても、自分自身が監督となった時、それに自らのアイディアをつけ加え、マネージメントのやり方を見つけなければならない」
そんな41歳のジェノア指揮官は、自身の特徴がコミュニケーションにあると考えている。またチームにおいて、こうした技術面以外の要素が重要になると指摘した。
「私の長所は、みんなの話を聞くことだ。欠点となることもあるが、昨シーズンはこれが素晴らしい長所になっていた。私は人の話を聞き、意見交換をするのが好きだ。だが最終決断は、私が下し、私が責任を負わなければならない」
「チームは昨シーズン、ピッチにおいて技術的クオリティを見せたが、決してあきらめずに信じ続けるという意思を示したことで、それが違いを作り出したのだと考える。こうした姿勢は、セリエAにおいても示し続けなければならないし、それがこのチームのDNAであるべきだ。ジェノアのユニフォームを身にまとうものは、この方針に従わなければならない」
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