湘南は現在最下位に低迷し、リーグ戦では第7節から15試合未勝利と苦しい時期を過ごしてきた。ただ、再開初戦の第22節でサンフレッチェ広島を下し、待望の3勝目を掴み、夏の中断明け以降は1勝1分け1敗と復調の兆しが見られてきている。
守備時は[5-3-2]の陣形で前線からのハイプレスをベースとする湘南。開幕当初は、2トップとアンカーを置く3枚の中盤で「ホームベース型」(坪井慶介)の5角形でハイプレスを仕掛けてきたが、その回避策として相手側も相手の陣形を踏まえて”ホームベース型”の5角形の中心となる位置でプレス回避ポイントを作り、坪井氏が「そこで前向きを作られて全体が下がらなければいけない。そうすると前向きな守備ができない」と指摘する。
ただ中断明け以降は、基本的なハイプレスという原則は変化していないものの、2トップがビルドアップの起点となる相手のCBと回避するために下がってきた中盤を含む3枚を監視しながら、”サイドを変えさせない”ようにボールのいく方向を限定するプレッシャーをかけることで、”ホームベース型”の五角形から選手全体をスライドさせた「ボールがあるところを中心に頂点を作る五角形になっている」と坪井氏が湘南の変化を分析する。
この守備を採用する上でのポイントを林氏はこう続けて解説した。
「[5-3-2]の構造上、インサイドハーフが相手のサイドバックにどれだけプレッシャーをかけられるかが大事になるので、そのためには(2トップが)同サイドに誘導することがすごく大事。2トップがしっかりと規制をかけて、どっち側に誘導したいのかが分かれば、インサイドハーフもサイドバックに対してプレッシャーをかけやすくなる」
一方で失点数は第24節終了時点で「48」とリーグワースト。林氏は、「失点はどうしても再現性があるように見えるので、そこは改善したい」と課題を指摘する。
湘南は、攻撃時にウイングバックが積極的に高い位置を取り、攻撃に関わる機会が多いが、「攻撃でやり切れれば良いが、失い方がどうしても悪い。後ろが3枚しか残っていない状況でカウンターを喰らって失点しているところに再現性がある」と攻撃時のリスク管理の課題を指摘する。
その上での改善ポイントを林氏は続けてこう提唱した。
「もちろんリスク管理は大事だけど、僕はそれよりも攻撃をやり切るという作業がまだ足りていないと思う。ただ失い方が悪い時に後ろが準備できていない節もあるので、そこはしっかりとマークについてマンツーマンでもOKという形でも良いと思う。その時に(攻撃していない)ウイングバックは少し下がっておくとか、そこら辺も大事になってくる」。
強みであるハイプレスが整備されてきた反面、守備に繋がる攻撃のところでの課題を解消し切れていない現状にある湘南。ここからシーズン終盤に入っていく中、より結果が問われる時期に差し掛かっているだけに、そういった課題を一つずつ解消していくことに加え、攻守のバランスを考えて何を優先していくかがJ1残留へのカギを握るかもしれない。
金J開催となる今週末は、4位の浦和レッズをホームに迎えるが、そういった状況を乗り越える勝ち星を掴むことができるか。湘南の戦いぶりに注目だ。
関連記事
● 【プレビュー】真夏の金J対決。湘南ベルマーレ対浦和レッズの見どころ | 日程・放送・配信予定 | Jリーグ
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?