今回は3つの事象をピックアップ。その中で注目したのが、J1第28節ガンバ大阪対浦和レッズの49分の場面だ。
浦和のGKの場面。西川周作のフィードを前線でホセ・カンテがキープできず。拾ったボールを黒川圭介が運ぼうとしたところでホセ・カンテが後ろから追ってファウルをすることになった。すると、このファウルをきっかけに両チームの選手がエキサイト。ピッチ上で選手たちが入り乱れての小競り合いとなった。
リプレイで見ると、ホセ・カンテがファウルの際に後ろからユニフォームを強引に引っ張っており、この行為に宇佐美貴史が激怒。詰め寄った際に激しい衝突が生まれた。主審は結果、オン・フィールド・レビューを行い、最終的にホセ・カンテにレッドカード。宇佐美と黒川にイエローカードが提示された。この場面について議論した。
槙野氏はホセ・カンテの退場シーンに限って言えば「宇佐美の誘いに乗ってしまった」と主張。安田氏はそこまでの段階で激しい接触があってもファウルの笛がなかったことに対し、「こういうところはレフェリーによっては流して選手たちにもっと強く戦ってほしい気持ちはわかる」と理解を示した上で、「あんな少しの小競り合いで倒れるんかいと思います」と小競り合いの中での出来事に苦言を呈した。
そこまでの3つのコンタクトに関して二人は、ノーファウルで流してしまっても問題ないとともに主張した。
二人の意見を聞いた上で元国際審判員の家本政明氏は、まずカードについての見解を説明。宇佐美に関しては、わざわざ自分から圧をかけに行き、対立を引き起こしたことから反スポーツ的行為でイエローであることは妥当と主張。黒川が小泉佳穂を突き倒したところも程度に関して難しいところはあるが、カードが出されたことが競技規則上間違っていることはないと説明した。
続けて家本氏は、小競り合いのきっかけになったファウルについてイエローが出されていないことに言及。レッドカードの場面は妥当としながらも、そのプレーの時点で出るはずだったイエローカードが消えてしまったことは対策を打つ必要があると口にした。また、3つのコンタクトに関しても「許容して良かった」と見解を明かした。
VARを含めて判定に10分以上時間がかかったことについては「経験値からするとちょっと長いかな」と語り、5つほどの確認事項はあったとはいえ、10分以上は少し長いと状況を説明している。一方で、両指揮官や複数の選手が状況を収めようとしていたことはポジティブに見るべき点だと強調している。
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